cern
ラテン語 Latinふるい分ける、区別する、決める
この語根について
ふるいを手にしたローマの農夫を思い浮かべてください。ふるいを揺すると、よい穀物は下に落ち、もみ殻は上に残ります。この「より分ける」という物理的な動作こそが、ラテン語 cernere の文字どおりの意味、つまり「ふるいにかける、分ける」です。ローマ人はここから大きな飛躍をし、それが英語の単語のファミリーをまるごと形作ることになりました。同じ動詞を、心の働きにも使ったのです。証拠をふるいにかけるとは、それを吟味すること。真実と偽りを分けるとは、判断すること。問題に決着をつけるとは、決めることです。こうして cernere は「見分ける、認める、決める」をすべて同時に意味するようになりました。
過去分詞は crētus でした。そのため英語では、このファミリーに cern- と cret- という二つの語幹が見られます。
接頭辞をつけると、ふるいの比喩が枝分かれしていきます。
- dis-(離して)+ cernere → discern:目や心で物事を分けてより分ける=見分ける、識別する。cret- の語幹からは discrete(より分けられた=一つひとつ別々の)と、その双子である discretion / discreet(判断の場面でより分ける力=分別、慎重さ)が生まれました。
- con-(共に)+ cernere → concern:文字どおりには一緒にふるう、混ぜ込むこと。自分の事柄に混ざり込んでくるものは、あなたに関わる(concern)わけです。意味は「関係する」から「重要である」、さらに「心配させる」へと移っていきました。
- se-(離して、脇へ)+ cernere → secret:脇へよけて、ほかから切り離されたもの=隠された、秘密の。動詞の secrete は、その意味の糸のうち二本を受け継ぎました。物質を体から分けて外に出すこと(腺の secretion「分泌」)と、まれに、何かをこっそり隠しておくことです。
- ex-(外へ)+ cernere → excrete:体の外へふるい出す=老廃物を排出する。名詞の excrement(排泄物)は、ふるい出されたもののことです。
英語が受け継いだ意外なペアにも注目しましょう。discrete(別々の、個別の)と discreet(慎重な、口の堅い)は発音がまったく同じで、しかも同じラテン語から来ています。中英語では一つの単語でしたが、のちに二つの意味を区別するためにつづりが分かれたのです。ふるいを思い浮かべれば、同じ起源であることも納得できます。何かを別々に保つこと(discrete)も、秘密を自分の中にとどめておくこと(discreet)も、どちらも注意深く分けておくことなのです。
ファミリー全体を貫くのは、cern / cret の単語はどれも何らかの「分ける」か「判断する」ことだという点です。見分ける、脇へよける、より分ける、決める、のいずれかです。
穀物ともみ殻をより分けるふるいを思い浮かべてください。それが cernere「ふるい分ける」です。cern/cret の単語はどれも「分ける」ことの一種です。discern(目でふるい分ける=見分ける)、secret(脇へよけた=隠された)、discrete(別々にふるい分けた=個別の)、excrete(体の外へふるい出す=排出する)。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
discernふるいの比喩をいちばん文字どおりに残している語です。dis-(離して)+ cernere(ふるう)で、目や心でふるい分けること、つまり何かをはっきり見て取る、あるいは二つのものを見分けることを意味します。霧の中に形を discern する(見て取る)、善悪を discern する(見分ける)、のように使います。硬い書き言葉で、くだけた会話では make out や tell apart がよく使われます。
ふるいの比喩をいちばん文字どおりに残している語です。dis-(離して)+ cernere(ふるう)で、目や心でふるい分けること、つまり何かをはっきり見て取る、あるいは二つのものを見分けることを意味します。霧の中に形を discern する(見て取る)、善悪を discern する(見分ける)、のように使います。硬い書き言葉で、くだけた会話では make out や tell apart がよく使われます。
discern を見るconcernファミリーの中で意味がいちばん大きく飛躍した語です。con-(共に)+ cernere(ふるう)で、「一緒にふるう、混ぜ込む」という意味です。自分の事柄に混ざり込んでくるものは、あなたに concern します。最初は単に「関係する」、次に「重要である」、最後に「心配させる」という意味になりました。だからこの一語で、This concerns your future(これはあなたの将来に関わることです)、a matter of concern(重大な関心事)、I'm concerned(心配しています)のすべてを表せるのです。
ファミリーの中で意味がいちばん大きく飛躍した語です。con-(共に)+ cernere(ふるう)で、「一緒にふるう、混ぜ込む」という意味です。自分の事柄に混ざり込んでくるものは、あなたに concern します。最初は単に「関係する」、次に「重要である」、最後に「心配させる」という意味になりました。だからこの一語で、This concerns your future(これはあなたの将来に関わることです)、a matter of concern(重大な関心事)、I'm concerned(心配しています)のすべてを表せるのです。
concern を見るsecretse-(離して、脇へ)+ cernere(ふるう)で、「脇へよけられた、ほかのみんなから切り離された」=隠された、という意味です。山の中から一つだけ取り出して、別にしておくイメージです。同じ se- + cret- の語幹から、secretary(秘書。もとは秘密を任された人)や secrete(物質を体から分けて外に出す=分泌する)が生まれました。
se-(離して、脇へ)+ cernere(ふるう)で、「脇へよけられた、ほかのみんなから切り離された」=隠された、という意味です。山の中から一つだけ取り出して、別にしておくイメージです。同じ se- + cret- の語幹から、secretary(秘書。もとは秘密を任された人)や secrete(物質を体から分けて外に出す=分泌する)が生まれました。
secret を見るdiscretecret- の語幹から来ています。dis-(離して)+ crētus(ふるわれた)で、「別々の粒にふるい分けられた」=一つひとつが独立している、連続していない、という意味です(discrete data「離散データ」、discrete units「個別の単位」)。発音がまったく同じ双子の discreet(慎重な、口の堅い)は、実は同じラテン語です。中英語では同じつづりでしたが、のちに「別々の」と「思慮深い」の意味を区別するためにつづりが分かれました。
cret- の語幹から来ています。dis-(離して)+ crētus(ふるわれた)で、「別々の粒にふるい分けられた」=一つひとつが独立している、連続していない、という意味です(discrete data「離散データ」、discrete units「個別の単位」)。発音がまったく同じ双子の discreet(慎重な、口の堅い)は、実は同じラテン語です。中英語では同じつづりでしたが、のちに「別々の」と「思慮深い」の意味を区別するためにつづりが分かれました。
discrete を見るexcreteex-(外へ)+ crētus(ふるわれた)で、「体の外へふるい出す」=老廃物を排出する、という意味です。体はふるいのように働き、残すものと出すものをより分けています。ふるい出されたものが excrement(排泄物)で、より上品な医学用語の名詞が excretion(排泄)です。
ex-(外へ)+ crētus(ふるわれた)で、「体の外へふるい出す」=老廃物を排出する、という意味です。体はふるいのように働き、残すものと出すものをより分けています。ふるい出されたものが excrement(排泄物)で、より上品な医学用語の名詞が excretion(排泄)です。
excrete を見る関連する語根
同じラテン語のファミリーです。crīmen(告発、罪)はもともと「決定、判断」という意味で、同じ cernere(ふるう、判断する)の語根から来ています。crime(犯罪)とは、文字どおりには「判断されたもの」なのです。つまり discern(判断する、見分ける)と crime(判断の結果)は遠い親戚ということになります。
これも cernere から来ています。certus(「決着した、確かな」)は cernere の過去分詞にあたる意味を持つ語です。ふるいにかけて決着がついた事柄は、certain(確かな)になります。つまり cert(certain, certify)は、同じふるいの比喩のうち「決まった」という側の枝で、cern が持つ「見分ける」という意味と対になっています。
関連する単語 · 28
concern
関係する;心配させる;関心;心配
secret
秘密;秘訣;秘密の
secretary
秘書;長官、大臣
secretly
ひそかに、こっそり
discretion
慎重さ、分別;裁量、判断の自由
discern
見分ける、識別する;気づく
discrete
別々の、個別の;離散的な
discreet
慎重な、分別のある
secretive
秘密主義の、隠し立てする
discretionary
自由裁量の、任意の
discernible
識別できる、見分けられる
discreetly
慎重に、目立たないように
secrete
分泌する;隠す
secretion
分泌;分泌物
discernment
識別力、洞察力
excrete
排泄する
excrement
排泄物、糞便
secretarial
秘書の、書記の
indiscreet
軽率な、無分別な
discretely
別々に、個別に
indiscernible
識別できない、見分けられない
discernibly
はっきりと、目に見えて
indiscreetly
軽率に、無分別に
concerned
心配している;関係している