minu
ラテン語 Latin小さい、減らす
この語根について
語根 minu は、「小ささ」という発想をもとにした、結びつきの強いラテン語の単語群から来ています。形容詞の minor は「より小さい、より劣った」、minus は単に「より少ない」という意味でした。ここから動詞 minuere「小さくする、減らす」が生まれ、その過去分詞 minūtus は「小さくされた、ごく小さい、細かく分けられた」という意味でした。このグループの英単語はどれも、「どのくらい小さいか、どのくらい少ないか」という問いへの答えになっています。
いちばん直接的な単語は、比較の意味をそのまま残しています。minor は「より小さい、より劣った」で、a minor problem(ささいな問題)、a minor key(短調)、そして a minor(まだ法的に一人前の年齢に達していない人、未成年者)のように使います。minority は小さいほうの集団(少数派)、minus は引き算の記号や不利な点(マイナス)です。minor を極端まで押し進めると、最上級のグループになります。minimum(最小限の量)、minimal、minimize(できるだけ小さくする)、minimalist です。
動詞の minuere からは「減らす」を表す単語が生まれました。diminish(古フランス語を経由し、強意の di- が付いたもの)は「少なくする」という意味で、仲間に名詞の diminution や形容詞の diminishing があります。音楽用語の diminuendo(ディミヌエンド、「だんだん弱く」)も、同じ発想を音量に当てはめたものです。
ここからが意外な系統です。minūtus「ごく小さくされた、細かく切られた」。minute なもの(発音は mai-NEWT、/maɪˈnjuːt/)は、顕微鏡でしか見えないほど小さなものです。そして同じ単語が、発音を変えて時間の minute(分)になりました。なぜでしょうか。中世の学者は1時間を60の小さな部分に分け、それを pars minūta prīma(最初の小さな部分)と呼びました。これが minute です。そして「第二の小さな部分」(pars minūta secunda)から second(秒)が生まれました。つまり時計の文字盤は、文字どおり「ごく小さい」を意味する言葉でできているのです。細かな事柄は minutiae、極端に小さいものは minuscule、小さなステップの踊りは minuet(メヌエット)、小さな肖像画は miniature(ミニチュア)です。そして mini- は、今では数えきれないほどの新しい言葉で「小さい」を意味しています。
もっとも直感に反するのが minister です。minister はもともと minus、つまり「より劣った者」、召使いや付き人のことでした(「より偉大な者」、つまり主人を表す magister と対になっています)。務めを果たして仕える人が、やがてその務めを取り仕切る人になりました。政府の大臣(minister)、省(ministry)、そして administer(ad-「〜へ」+ minister、「〜のために仕える、管理する」)から administration / administrator の一族が生まれています。つつましい召使いが内閣まで出世したわけですが、語根の記憶は今も「仕える、より劣った者」なのです。そして menu は?フランス語の menu も minūtus から来ていて、料理の「細かく書き出した一覧」という意味でした。
よく似た別物に注意しましょう。この minu(小さい、少ない)は、mine / mineral の min(掘ること)とも、ēminēre / prōminēre(突き出る。eminent、prominent)とも関係がありません。文字は同じでも、物語は別です。
触れるものすべてを縮めてしまう MINUS(マイナス)記号を思い浮かべましょう。minor(より小さい)、minimum(最小)、diminish(小さくする)。minute(mai-NEWT)な粒もごく小さいですし、時間の minute も、1時間を切り分けた60の「小さな部分」のひとつにすぎません。仲間はずれに見える minister も覚えておきましょう。もとは「より劣った者」、つまり召使いで、やがて物事を取り仕切る立場になったのです。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
minuteひとつのつづりに二つの単語が入っています。形容詞(mai-NEWT)のときは「ごく小さい」という意味で、minūtus「小さくされた」から直接来ています。名詞(MIN-it)のときは時間の単位「分」です。中世の天文学者が1時間を60の pars minūta prīma(最初の小さな部分)に分けたからで、「第二の小さな部分」からは second(秒)まで生まれました。つまり時間の単位の「分」は、語源的には「1時間のごく小さな一片」にすぎないのです。
ひとつのつづりに二つの単語が入っています。形容詞(mai-NEWT)のときは「ごく小さい」という意味で、minūtus「小さくされた」から直接来ています。名詞(MIN-it)のときは時間の単位「分」です。中世の天文学者が1時間を60の pars minūta prīma(最初の小さな部分)に分けたからで、「第二の小さな部分」からは second(秒)まで生まれました。つまり時間の単位の「分」は、語源的には「1時間のごく小さな一片」にすぎないのです。
minute を見るministerこのグループでいちばん意外な出世をした単語です。minister は文字どおり minus、つまり「より劣った者」で、召使いや付き人のことでした。「主人」を表す magister とは正反対です。務めを果たして仕える人が、やがてその務めを取り仕切る人になり、政府の minister(大臣)や、動詞の minister to(人の必要に応える、世話をする)が生まれました。ad- + minister からは administer / administration が生まれています。「〜のために仕える」、つまり他人に代わって管理するという意味です。
このグループでいちばん意外な出世をした単語です。minister は文字どおり minus、つまり「より劣った者」で、召使いや付き人のことでした。「主人」を表す magister とは正反対です。務めを果たして仕える人が、やがてその務めを取り仕切る人になり、政府の minister(大臣)や、動詞の minister to(人の必要に応える、世話をする)が生まれました。ad- + minister からは administer / administration が生まれています。「〜のために仕える」、つまり他人に代わって管理するという意味です。
minister を見るdiminishminuere(減らす)をもとに、古フランス語を経て強意の di- が加わった単語です。「少なくなる、少なくする」という意味で、自動詞にも他動詞にも使えます。価値がひとりでに diminish する(減る)こともあれば、人を diminish する(おとしめる、軽んじる)こともあります。名詞は diminution、形容詞の diminishing は diminishing returns(収穫逓減)という決まった言い方でよく使われます。
minuere(減らす)をもとに、古フランス語を経て強意の di- が加わった単語です。「少なくなる、少なくする」という意味で、自動詞にも他動詞にも使えます。価値がひとりでに diminish する(減る)こともあれば、人を diminish する(おとしめる、軽んじる)こともあります。名詞は diminution、形容詞の diminishing は diminishing returns(収穫逓減)という決まった言い方でよく使われます。
diminish を見るminimumこのグループの最上級の端にあたる単語で、ラテン語の minimus「最も小さい」から来ています。minor が「より小さい」(比較級)なのに対して、minimum / minimal / minimize は「最も少ない、最小の」(最上級)です。maximum とぴったり鏡写しの関係にあります。名詞(a minimum)としても形容詞(the minimum wage=最低賃金)としても使える点に注意しましょう。
このグループの最上級の端にあたる単語で、ラテン語の minimus「最も小さい」から来ています。minor が「より小さい」(比較級)なのに対して、minimum / minimal / minimize は「最も少ない、最小の」(最上級)です。maximum とぴったり鏡写しの関係にあります。名詞(a minimum)としても形容詞(the minimum wage=最低賃金)としても使える点に注意しましょう。
minimum を見る関連する語根
正反対の関係です。minu(ラテン語 minor / minimus)は「より小さい/最も小さい」、maj/magn(ラテン語 maior / magnus)は「より大きい/大きい」です。minor と major、minimum と maximum、minimize と maximize のように、組がぴったりそろっています。反意語のセットとして覚えれば、片方を知るだけでもう片方も手に入ります。
どちらも「小さい」という意味ですが、micro はギリシャ語(mikros)、minu はラテン語です。micro は専門的・科学的な造語に付き(microscope、microchip、microbe)、minu は日常的な単語や量を表す単語を作ります(minor、minimum、diminish)。大まかな見分け方は、研究や技術の用語なら micro、ふだんの言葉で大きさや量を言うなら minu です。
つづりは同じでも、語源は無関係です。この minu は「小さい、少ない」を意味します(minor、minute、minimum)。もう一方の min は「掘る」または「突き出る」を意味し、mine、mineral(地中から掘り出すもの)や、eminent、prominent(突き出ている。ēminēre から)に見られます。大きさや減少の話なら minu、掘ることや目立つことの話ならこの語根ではありません。
関連する単語 · 49
minute
分;少しの間;ごく小さい
administration
管理、運営;行政;政権
minority
少数派;少数民族
minister
大臣;牧師;世話をする
administrator
管理者、行政官
minor
小さいほうの、重要でない;未成年者
menu
メニュー、献立表
administrative
管理の、行政の
minimum
最小限、最低限;最小の
administer
管理する、運営する;(薬を)投与する
minimize
最小限にする;軽視する;最小化する
diminish
減らす、減少する;弱める
ministry
(政府の)省
minimal
最小限の、ごくわずかな
miniature
縮小模型、ミニチュア;細密画;小型の
minus
〜を引いた;マイナスの、負の;不利な点
mini
小型の、ミニの;小型のもの
minuscule
ごく小さい;小文字
minimally
最小限に、ごくわずかに
diminutive
とても小さい;指小語、愛称
minimalist
ミニマリスト;ミニマリズムの
minutia
細目、ささいな点
minimalism
ミニマリズム、最小限主義
diminution
減少、縮小