place
Old French場所、置く
この語根について
古代ギリシャの都市を思い浮かべてください。その中心には plateia がありました。人々が集まり、商売をし、顔を合わせる、幅の広い通りや広場のことです。この語はもともと「広い」という意味で、「平らで広い」ことを表す plate や plateau にもその名残が見られます。ラテン語はこれを platea として借り入れ、古フランス語ではなめらかに place となりました。英語に入るころには、広々とした広場のイメージはひとつの考えに絞り込まれていました。それが place、つまり「何かがあるべき場所、何かが収まっている場所」です。
「何かが収まる場所」から、動詞の意味が自然に生まれました。place something とは、それを所定の場所に置くことです。この動詞こそがファミリー全体のかなめです。接頭辞を付けると、その場所で何が起こるかが変わります。
- re-(再び、元へ)+ place → replace:元の場所に戻す。ただし現代の中心的な意味は「古いものがあった場所に新しいものを置く」、つまり取り替えることです。電池を replace すれば、新しい電池が古い電池の場所に収まります。
- dis-(離れて)+ place → displace:本来の場所から外へ動かす。お風呂に入ると水が押しのけられます(displaced)。戦争で家を追われた人々も displaced people と呼ばれます。
どちらからも -ment の付いた名詞がすんなりできます。placement、replacement、displacement はそれぞれ「置くこと・置き換えること・押しのけること、またその結果」です。
英語は、ごく普通の英単語に place をくっつけて、特定の場所を表すのも得意です。
- fire + place → fireplace:屋内で火をたく場所(暖炉)
- birth + place → birthplace:生まれた場所
- work + place → workplace:働く場所(職場)
少し毛色が違うのが commonplace です。これはラテン語・ギリシャ語で「共通の場所」を意味する言い回しの訳語として始まりました。弁論家がいつでも使えるように用意しておいた、お決まりの話題や論法、決まり文句のことです。こうした言い回しは誰もが使うものだったので、a commonplace は「ありふれた陳腐なもの」を指すようになり、形容詞の commonplace も「平凡な、ありきたりの」という意味になりました。ここでの place は物理的な場所ではなく、修辞学でいう「話題の置き場所」です。place は空間だけでなく、頭の中の場所でもありうるのだと教えてくれる、面白い例です。
ファミリーを貫くのは、place はいつも「何かがどこに収まるか」を表すということです。接頭辞や前に付く単語が、どの場所で、そこで何が起こるのかを教えてくれます。
plateia は「広い」広場のことでした。だから place は「場所」を意味し、plate や plateau は平らで広いものを表します。place は「所定の場所に置く」、re-place は古いものの場所に新しいものを置く(取り替える)、dis-place は場所から追い出す、です。placate や placid の plac-(「なだめる、喜ばせる」)とは別物なので混同しないようにしましょう。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
placeファミリーのかなめで、名詞としても動詞としても働きます。名詞としては platea の「場所、位置」という意味を受け継ぎ、動詞としては「所定の場所に置く」という意味で replace や displace を支えています。文字どおりの意味から離れた熟語に注意しましょう。take place(起こる。出来事が時間の中に自分の「場所」を取ること)、in place(準備が整って、配置されて)、in place of(〜の代わりに)です。
ファミリーのかなめで、名詞としても動詞としても働きます。名詞としては platea の「場所、位置」という意味を受け継ぎ、動詞としては「所定の場所に置く」という意味で replace や displace を支えています。文字どおりの意味から離れた熟語に注意しましょう。take place(起こる。出来事が時間の中に自分の「場所」を取ること)、in place(準備が整って、配置されて)、in place of(〜の代わりに)です。
place を見るreplace文字どおりには「re-(元へ)+ place」なので、いちばん古い意味は「元に戻す」です。ところが現代の中心的な意味は、「古いものがあった場所に新しいものを置く」=取り替える、へとひっくり返りました。だから replace A with B は「B が A の位置を引き継ぐ」という意味になります。「元に戻す」の意味は、主に replace the receiver(受話器を戻す)や replace the lid(ふたを戻す)といった言い方に残っています。
文字どおりには「re-(元へ)+ place」なので、いちばん古い意味は「元に戻す」です。ところが現代の中心的な意味は、「古いものがあった場所に新しいものを置く」=取り替える、へとひっくり返りました。だから replace A with B は「B が A の位置を引き継ぐ」という意味になります。「元に戻す」の意味は、主に replace the receiver(受話器を戻す)や replace the lid(ふたを戻す)といった言い方に残っています。
replace を見るdisplacedis-(離れて)+ place で、「本来の場所から外へ動かす」という意味です。印象的な使い方が2つあります。ひとつは物理で、水に入れた物体は自分の体積分の水を押しのけます(displace)。もうひとつは人間についてで、displaced people は家を追われた人々のことです。displace は replace(「〜に取って代わる」)と重なる部分もありますが、強調しているのは置き換えではなく「追い出すこと」です。a new technology can displace workers(新しい技術が労働者を押しのける)のように使います。
dis-(離れて)+ place で、「本来の場所から外へ動かす」という意味です。印象的な使い方が2つあります。ひとつは物理で、水に入れた物体は自分の体積分の水を押しのけます(displace)。もうひとつは人間についてで、displaced people は家を追われた人々のことです。displace は replace(「〜に取って代わる」)と重なる部分もありますが、強調しているのは置き換えではなく「追い出すこと」です。a new technology can displace workers(新しい技術が労働者を押しのける)のように使います。
displace を見るcommonplaceファミリーの変わり種です。修辞学の用語「共通の場所」、つまり弁論家なら誰もが手元に用意していたお決まりの論法や決まり文句を訳した言葉でした。こうした言い回しは誰もが使ったため、名詞は「陳腐な言葉」を、形容詞は「平凡な、ありきたりの」を意味するようになりました。ここでの place は物理的な場所ではなく、頭の中にある「話題の置き場所」です。
ファミリーの変わり種です。修辞学の用語「共通の場所」、つまり弁論家なら誰もが手元に用意していたお決まりの論法や決まり文句を訳した言葉でした。こうした言い回しは誰もが使ったため、名詞は「陳腐な言葉」を、形容詞は「平凡な、ありきたりの」を意味するようになりました。ここでの place は物理的な場所ではなく、頭の中にある「話題の置き場所」です。
commonplace を見る関連する語根
どちらも「場所」を表します。loc(ラテン語 locus)は位置を表す抽象的・専門的な語根で、location、locate、local、dislocate などを作ります。place(ラテン語 platea「広い広場」)は日常的で具体的な言葉です。見分け方:ピンポイントで特定された正確な位置なら loc、人が立てるような漠然とした場所なら place です。
どちらも「何かをどこかに置く」ことに関わります。pos/posit(ラテン語 ponere)は「置く、据える」を表す改まった語根で、position、deposit、compose、impose などを作ります。動詞の place は同じ行為を表す、ふだん使いの言葉です。Place the cup here と Position the cup here は同じ意味ですが、日常会話では place のほうがずっと自然に聞こえます。
同じギリシャ語の祖先 platys「広い、平らな」を持っています。platea(「広い通り」)から place が生まれ、同じ「平ら・広い」のイメージから plate、platform、plateau、そして platypus(カモノハシ、「平たい足」)が生まれました。plat- や place- を見たら、広くて平らな面を思い浮かべてください。