rig
ラテン語 Latin治める、導く、まっすぐにする
この語根について
ここでの本当の語根はラテン語の regere「治める、導く、まっすぐに保つ」です。ローマ人にとって、治めることとまっすぐにすることは同じ行為でした。大工が板をまっすぐに保つように、よい支配者は人々を正しい線の上に保つのです(まっすぐさを測る道具である定規も、この考えから生まれています)。regere の過去分詞は rectus「まっすぐな、正しい」で、correct、erect、direct といった語のもとになりました。
「治める」という意味からは、権力にまつわる語彙がひとまとまり生まれています。
- reg- + -al → regal:王の、王にふさわしい
- reg- + -ent → regent:(君主に代わって)治める人、摂政
- reg- + -ion → region:治められ、統治されている地域
- reg- + -ime → regime:統治のしくみ、またはその期間、体制
- reg- + -imen → regimen:(特に健康のための)管理計画、養生法
- reg- + -iment → regiment:厳しい規律のもとにある兵士の集団、連隊
「まっすぐな、正しくする」という意味(rectus)に接頭辞が組み合わさると、もう一つのグループができます。
- dis-(離れて、あちこちの方向へ)+ reg- → direct, direction, director:まっすぐな、狙いを定めた進路へと導く
- com-(完全に)+ reg- → correct:すっかりまっすぐに戻す、訂正する。incorrect はその否定です
- in- + com- + reg- + -ible → incorrigible / incorrigibility:文字どおりには「まっすぐに直すことができない」、つまり矯正のしようがない
このように、一族は一つの源から二つの流れに分かれています。治める側の語(regal, region, regime)と、まっすぐにする・正す側の語(direct, correct)です。どちらも「大工としての王」、つまり物事を正しい線の上に保つというイメージにさかのぼります。
見た目の似た語には注意が必要です。rig- とつづる語のいくつかは regere から来たものではなく、関係がありそうに見えるだけです。rigid(かたい)、rigorous(厳密な)、rigour(厳格さ)はラテン語の rigēre「こわばる、しびれる」から来ていて、治めることではなく、かたさを表します。irrigate(灌漑する)はラテン語の rigāre「濡らす、水をやる」から来ていて、畑を治めるのではなく、畑に水を行き渡らせることです。これらの語もこのページに載っていますが、「見た目は同じでも、別のラテン語動詞から来ている」という注意つきです。
王を大工だと思ってみましょう。regere は「治める」と「まっすぐに保つ」の両方を意味していました。regent は治める人、region は治められる土地。direct や correct は、何かをまっすぐな線の上に保つことです。ただし偽物に注意してください。rigid(かたい)と irrigate(水を引く)は一族のように見えるだけで、仲間ではありません。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
regionreg-(治める)+ -ion で、治められ、統治されている地域を表します。もともとはローマの行政区画、つまり一つの支配のもとに置かれた土地のひと区切りでした。時がたつにつれて、厳密な統治のニュアンスは薄れ、はっきり区切られた範囲なら何でも指すようになりました(a mountain region「山岳地帯」、the abdominal region「腹部」)。それでも、根底には「支配下にある、境界のある領域」という語根の記憶が今も残っています。
reg-(治める)+ -ion で、治められ、統治されている地域を表します。もともとはローマの行政区画、つまり一つの支配のもとに置かれた土地のひと区切りでした。時がたつにつれて、厳密な統治のニュアンスは薄れ、はっきり区切られた範囲なら何でも指すようになりました(a mountain region「山岳地帯」、the abdominal region「腹部」)。それでも、根底には「支配下にある、境界のある領域」という語根の記憶が今も残っています。
region を見るregimereg-(治める)からフランス語の régime を経た語で、統治のしくみやその期間を表します。現代の用法では否定的な意味に傾きがちで、an authoritarian regime(権威主義体制)、an oppressive regime(抑圧的な政権)のように、選ばれたのではなく押しつけられた支配を暗に示します。穏やかな親戚である regimen(健康のための管理計画)と比べてみてください。語根は同じでも、一方は国を治め、もう一方はあなたの食生活を治めているのです。
reg-(治める)からフランス語の régime を経た語で、統治のしくみやその期間を表します。現代の用法では否定的な意味に傾きがちで、an authoritarian regime(権威主義体制)、an oppressive regime(抑圧的な政権)のように、選ばれたのではなく押しつけられた支配を暗に示します。穏やかな親戚である regimen(健康のための管理計画)と比べてみてください。語根は同じでも、一方は国を治め、もう一方はあなたの食生活を治めているのです。
regime を見るregentreg-(治める)+ -ent(〜する人)で「治める人」です。特に、本来の君主が不在だったり、幼すぎたり、統治に適さなかったりするあいだ、代わりに国を治める人を指します。prince regent(摂政皇太子)は王家に代わって統治します。一族の中でもっとも文字どおりのメンバーで、regent とはつまり「支配者」そのものです。
reg-(治める)+ -ent(〜する人)で「治める人」です。特に、本来の君主が不在だったり、幼すぎたり、統治に適さなかったりするあいだ、代わりに国を治める人を指します。prince regent(摂政皇太子)は王家に代わって統治します。一族の中でもっとも文字どおりのメンバーで、regent とはつまり「支配者」そのものです。
regent を見るincorrectin-(not)+ cor-(com-、完全に)+ rect(まっすぐな、regere から)で「まっすぐにされていない、正しくない」です。correct は文字どおりには「すっかりまっすぐに戻す」という意味で、incorrect は単にそれを否定したものです。同じ rect-(まっすぐな、正しい)という語幹が correct、erect、rectangle に通っていて、「まっすぐであること=正しいこと」という考えを表しています。
in-(not)+ cor-(com-、完全に)+ rect(まっすぐな、regere から)で「まっすぐにされていない、正しくない」です。correct は文字どおりには「すっかりまっすぐに戻す」という意味で、incorrect は単にそれを否定したものです。同じ rect-(まっすぐな、正しい)という語幹が correct、erect、rectangle に通っていて、「まっすぐであること=正しいこと」という考えを表しています。
incorrect を見る関連する語根
direct は、実はこの語根が姿を変えたものです。dīrigere = dis-(離れて、あちこちの方向へ)+ regere(まっすぐに保つ)。direct / direction / director の一式は、すべて reg- という語根に接頭辞が付いたものです。region や regal を知っていれば、direct の中で動いているエンジンもすでに知っていることになります。
同じ印欧祖語の語根(reg-「まっすぐに動く、治める」)から来た、ほかの「規則・王」系の語根と大きく重なっています。regal / royal(王)や、rect- の語(correct, erect, rectangle)と比べてみてください。どれも「まっすぐであることは正当な支配である」という、一つの古い考えから分かれた枝です。