vol
ラテン語 Latin転がる、回る;望む、意志
この語根について
語根 vol- の中には、たまたま形が似ていただけの、まったく別の二つのラテン語が隠れています。
系統 1 ― volvere「転がる、回る」。 巻物が巻かれていく様子、車輪が回る様子、川が曲がりくねって流れる様子を思い浮かべてください。この「転がる」という一つのイメージに、どの方向へ かを示す接頭辞が加わって、一つの大きな一族ができています。
- e-(外へ)+ volvere → evolve:外へ 転がす、少しずつ広げていく。発展や生物の進化は、まさに時間をかけてゆっくりと巻物が開いていくような姿をしています。
- re-(元へ/再び)+ volvere → revolve:ぐるりと元へ 転がる、回転する。そして revolution は一回の完全な回転です。政治的な意味は天文学の意味から来ました。惑星が一周の revolution(公転)を終えて元の位置に戻るように、政治の revolution(革命)も、はじめは権力の車輪がぐるりと一周することとしてイメージされたのです。
- in-(中へ)+ volvere → involve:何かをある状況の 中へ 巻き込む、包み込む。出来事の中へ「巻き込まれた」なら、あなたはそれにとらわれ、絡め取られ、関わっている(involved)わけです。
- con-(共に)+ volvere → convoluted:すべてが 一緒に 巻き上げられた状態。a convoluted argument(入り組んだ議論)とは、ねじれてとぐろを巻いているせいで筋道を追えない議論のことです。
- de-(下へ/離れて)+ volvere → devolve:下へ 転がる。権限が中央政府から地方政府へと devolve(委譲される)のです。
- そして volume:ローマ時代の「volume」は文字どおり 巻かれた 巻物でした。「巻いた本」から「全集の中の一冊(巻)」へ、さらにものが占める 量(巻いた束がどれくらいの大きさか)へ、最後には 音量(空間をどれだけの音が満たすか)へと意味が広がりました。日本語の「ボリューム」もこの語です。
系統 2 ― velle「望む、意志をもつ」。 これがこの語根の中に潜む意外な顔です。変化形の volunt- は転がることとは何の関係もなく、あなたが 望む ことを表します。
- voluntary / voluntarily / volunteer:自分が 望んで、自らの自由意志で行うこと。volunteer(ボランティア)とは、誰にも強制されていない奉仕を自ら申し出る人です。
- bene-(よく)+ volent → benevolent:他人に対して よかれと願う、親切な。
- mal-(悪く)+ volent → malevolent:悪意を抱く、害を望む。benevolent と malevolent は、善意/悪意のきれいな対になっています。
ですから vol- を見かけたら、一つだけ問いかけてください。これは 回ること(volvere)か、それとも 望むこと(velle)か。evolve、revolve、involve、volume → 回ること。voluntary、volunteer、benevolent → 望むこと。つづりは一つ、語根は二つです。
一つのつづりに二つの絵を思い浮かべましょう。転がる: ぐるぐる回り続ける re-VOLV-ing door(回転ドア)――evolve、revolve、involve、volume はみな回ります。望む: 自分が やりたい から手を挙げる VOLUNT-eer(ボランティア)――voluntary、benevolent(善意)、malevolent(悪意)はみな望むことに関わります。回っているのか、望んでいるのか、と問いかけてください。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
evolvee-(外へ)+ volvere(転がす)=「外へ転がす、広げる」。巻物を広げていくと、中身が少しずつ現れてきます。これこそが、段階的な発展(the plan evolved=計画が発展した)とダーウィン的な進化(species evolved over millions of years=種は何百万年もかけて進化した)の両方の背後にあるイメージです。何事も一度には起こらず、少しずつ広がっていくのです。
e-(外へ)+ volvere(転がす)=「外へ転がす、広げる」。巻物を広げていくと、中身が少しずつ現れてきます。これこそが、段階的な発展(the plan evolved=計画が発展した)とダーウィン的な進化(species evolved over millions of years=種は何百万年もかけて進化した)の両方の背後にあるイメージです。何事も一度には起こらず、少しずつ広がっていくのです。
evolve を見るrevolutionre-(元へ/ぐるりと)+ volvere(回る)=「完全にひと回りすること」。この語はまず天文学の用語で、惑星が軌道を一周すること、つまり一回の revolution(公転)を指しました。政治的な意味はそのイメージを借りたもので、権力の車輪がぐるりと回って新しい秩序にたどり着くことです。だから revolution は、物理的な回転(revolutions per minute=毎分回転数)と、根本的な転覆=革命の両方を意味するのです。
re-(元へ/ぐるりと)+ volvere(回る)=「完全にひと回りすること」。この語はまず天文学の用語で、惑星が軌道を一周すること、つまり一回の revolution(公転)を指しました。政治的な意味はそのイメージを借りたもので、権力の車輪がぐるりと回って新しい秩序にたどり着くことです。だから revolution は、物理的な回転(revolutions per minute=毎分回転数)と、根本的な転覆=革命の両方を意味するのです。
revolution を見るinvolvein-(中へ)+ volvere(巻く)=「中へ巻き込む、包み込む」。何かを束の中に巻き込むところを想像してください。いったん巻き込まれると、簡単には引き抜けません。be involved in a project(プロジェクトに関わっている)とはその中に巻き込まれていること、an involved explanation(込み入った説明)とは、それ自体に巻き込まれすぎてほどくのが難しい説明のことです。
in-(中へ)+ volvere(巻く)=「中へ巻き込む、包み込む」。何かを束の中に巻き込むところを想像してください。いったん巻き込まれると、簡単には引き抜けません。be involved in a project(プロジェクトに関わっている)とはその中に巻き込まれていること、an involved explanation(込み入った説明)とは、それ自体に巻き込まれすぎてほどくのが難しい説明のことです。
involve を見るvoluntaryここで vol- はまったく別の系統に切り替わります。velle「望む、意志をもつ」、変化形は volunt- です。voluntary は「自分が望んで行う」、つまり強制されることなく自由に選んだ、という意味です。volunteer(ボランティア)の中にあるのも同じ volunt- で、命令されたからではなく、やりたいから名乗り出る人のことです。
ここで vol- はまったく別の系統に切り替わります。velle「望む、意志をもつ」、変化形は volunt- です。voluntary は「自分が望んで行う」、つまり強制されることなく自由に選んだ、という意味です。volunteer(ボランティア)の中にあるのも同じ volunt- で、命令されたからではなく、やりたいから名乗り出る人のことです。
voluntary を見るbenevolentbene-(よく)+ vol-(望む、velle から)+ -ent = 他人に対して「よかれと願う」、つまり親切で寛大な。その鏡像が malevolent(mal-「悪く」+ 望む = 害を望む)です。この対は、語根のこちらの系統を感じ取るのにいちばんすっきりした例です。転がることとはまったく関係がなく、あなたの願いが善と悪のどちらに傾いているかを表しているのです。
bene-(よく)+ vol-(望む、velle から)+ -ent = 他人に対して「よかれと願う」、つまり親切で寛大な。その鏡像が malevolent(mal-「悪く」+ 望む = 害を望む)です。この対は、語根のこちらの系統を感じ取るのにいちばんすっきりした例です。転がることとはまったく関係がなく、あなたの願いが善と悪のどちらに傾いているかを表しているのです。
benevolent を見る関連する語根
どちらも「回る」を意味しえますが、rot-(rotare、rota「車輪」から)は単純な機械的回転です。rotate(回転する)、rotor(回転翼)、rotary(回転式の)。一方 vol-(volvere から)は転がる/巻くことで、抽象的な意味にまで広がります。evolve、involve、revolution。車輪が文字どおり回っているなら rot、何かが転がったり、広がったり、巻き込まれたりしているなら vol です。
vot-(vovere「誓う、願う」から)と、vol- の velle「意志、望み」の系統は、どちらも望むこと・願うことに関わります。vow(誓い、vot-)も voluntary act(自発的な行為、vol-)も、願望から生まれています。ただし vot- は「誓約/誓い」の一族(vote 投票する、devote 捧げる、votive 奉納の)であり、ここでの vol- は「自由意志」(voluntary、benevolent)を表す点に注意しましょう。
関連する単語 · 50
involve
含む、伴う;巻き込む、関わらせる
volume
体積、量;音量;巻、冊
volunteer
ボランティア、志願者;進んで申し出る
involvement
関与、関わり
revolution
革命;大変革;回転
evolve
発展する;進化する
evolution
発展、展開;進化
revolutionary
革命的な、画期的な;革命家
voluntary
自発的な、任意の;無償の
evolutionary
進化の;漸進的な
voluntarily
自発的に、任意に
revolve
回転する、公転する;(〜を)中心に展開する
revolt
反乱、反抗;反乱を起こす;不快にさせる
revolutionize
根本から変える、革命を起こす
involuntary
無意識の、思わず出る;不本意な
benevolent
慈悲深い、善意の
volley
一斉射撃;(言葉の)連発;ボレー
involuntarily
思わず、無意識に
voluminous
大量の、かさばる;大部の
malevolent
悪意のある、敵意に満ちた
devolve
(権限・責任を)委譲する、移す
benevolence
慈悲、善意;善行
volition
意志、意志の力
volunteerism
ボランティア精神、ボランティア活動