このレッスンの目標:語根 act(行う、動かす)と、その異形 ag を知り、身近な8つの単語をこの語根から読み解けるようになりましょう。
この語根について
語根 act は、ラテン語の中でも指折りの働き者の動詞 agere から来ています。agere は「する、駆り立てる、動かす」という意味で、ローマの農夫が牛を追うときにも、将軍が軍を率いるときにも、弁護士が弁論をするときにも使われた言葉です。ラテン語の動詞は二つの語幹を残します。現在語幹(agere に見える ag-)と、過去分詞の語幹(actus「なされた、駆り立てられた」の act-)です。英語はその両方を受け継ぎ、目に触れる機会が多いのは act- のほうになりました。
actus からは、まずいちばんシンプルな単語が生まれました。act(なされたこと、行う)と action(行うこと、行動)です。接尾辞を付ければ人や性質を表す語になります。actor は演じる人、activist は信念に基づいて行動する人、activity は活動している状態、activate は何かを動き出させること(活性化する)です。
act の本当の力が発揮されるのは、接頭辞が行為に「向き」を与えるときです。
- re-(元へ)+ act → react:何かに対して 返して 行動する=反応する
- inter-(間)+ act → interact:互いの 間で 行動する=相互に作用する
- counter-(逆らって)+ act → counteract:逆向きに 働いて打ち消す
- en-(〜にする)+ act → enact:何かを行動に する=法律を制定する
- trans-(向こうへ)+ act → transaction:二者の間を 渡って 行われる取引
- retro-(後ろへ)+ active → retroactive:時間を さかのぼって 効力が及ぶ=遡及的な
一つだけ、出自をすっかり隠している仲間がいます。exact です。これは ex-(外へ)+ agere から来ていて、文字どおりには「追い出す」「量り出す」という意味でした。ローマの徴税人は相手から支払いを「追い出す」ようにして exact(取り立てる)しましたし、何かをきっちり量り出すことは exact(正確な)であることです。「正確な」と「無理に取り立てる」という二つの意味は、ちょうどの量まで何かを追い出すという同じ行為の表と裏なのです。
パターンに注目しましょう。act は「する」という中心の意味を保ち続け、接頭辞がその行為の向きを示します。返す(react)、間で(interact)、逆らって(counteract)、外へ(exact)。双子の語幹 ag-(agent、agenda、agile)は同じ動詞の現在形のほうを受け継いでいます。二つは実は、形を変えて現れた一つのラテン語なのです。
舞台の actor(アクター)を思い浮かべてください。俳優の仕事はまさに する こと、act することです。act- の単語はどれも、ある向きへの「する」を表します。re-act(返してする)、inter-act(間でする)、counter-act(逆らってする)。双子の ag- は、同じ動詞がまだ動いている形です(agent、agile、agitate)。
重点単語· 8
act + -ive(行動する傾向がある)+ -ity(状態)=行動している状態、または人がすること。ここから日常的な二つの意味に分かれました。数えられる an activity(活動、取り組み)と、数えられない activity(活気、にぎわい)です。
The club offers activities for all ages.
There was a lot of activity in the office before the deadline.
actual(「行為・事実として存在する」)+ -ly から来ています。もともとは「行いにおいて」という意味でしたが、今では物事の本当の状態を示し、思い込みを正すときによく使われます(Actually, it's free =実は無料なんです)。
I thought it was hard, but it was actually quite easy.
Actually, the meeting starts at three, not two.
act(する、駆り立てる)+ -ive(〜する傾向がある)=「する傾向がある、行動に満ちた」。いつも何かをしている人は active(活動的)、今まさに仕事をしているシステムは active(稼働中)、待たずに行動する人は active(積極的)です。文法の active voice(能動態)は主語が動作をする形で、The man was bitten ではなく The dog bit the man のような形です。
He stays active by cycling to work every day.
Your account is still active, so you can log in anytime.
active と activity に含まれる語根 act の意味は…
act(する、演じる)+ -or(〜する人)=文字どおり「行動する人」。舞台では役を演じる人のことですが、日常的・公式な用法では「行動する者」という素朴な意味が残っており、行動を起こすあらゆる当事者を指します。たとえば a key actor in the negotiations(交渉の主要な当事者)です。
She is a talented actor who has won several major awards.
Each country is an actor on the international stage.
re-(返して)+ act(行う)=やり返すこと。何かが自分に起こり、それに対して行動を返す、それが reaction(反応)です。化学の意味は同じイメージを文字どおりにしたもので、二つの物質が互いに作用し合って変化します。
re-(元へ、返して)+ act で「返して行動する」。何かがぶつかってきたら、それに対して行動を返す、それが反応です。この語には二つの顔があります。日常英語では感情や人間関係の意味(react to bad news=悪い知らせに反応する)、化学では文字どおりの意味(二つの物質が反応する)。どちらも「何かが押し、何かが押し返す」という同じイメージから来ています。
How did she react when you told her the news?
Don't react so strongly to every little criticism.
ex-(外へ)+ agere / actus(駆り立てる、量る)=「追い出す、量り出す」。ローマの徴税人は、人から支払いを追い立てるように取り立てました。ここから動詞の「強制的に要求する」という意味が生まれました。一方、ものをきっちりの量まで量り出すことから、形容詞の exact「一粒単位まで正確な」が生まれました。「正確な」と「取り立てる」は、「外へ追い出す」という一つの行為の二つの側面なのです。
exact は、意外にも act の仲間の単語です。「正確な」と「追い出す」を結びつける人はほとんどいませんが、どちらの意味も ex- + agere、つまり「何かをきっちりの量まで追い出す」ことから来ています。会計士の「exact figure(正確な数字)」と、暴君が「exacts tribute(貢ぎ物を取り立てる)」のは、同じラテン語の動作をしているのです。
意外な仲間です。exact = ex-(外へ)+ agere(駆り立てる)=「追い出す、量り出す」。ローマの徴税人は相手からお金を追い出すようにして exact しました(動詞:無理に取り立てる、要求する)。一方、ちょうどの量まできっちり量り出すことから形容詞の exact(一粒の狂いもなく正確な)が生まれました。追い出すという同じ行為から二つの意味ができたのです。
Can you tell me the exact time of the meeting?
These are his exact words.
re-(元へ、返して)+ act(する)→「応じて何かをし返す」。どの単語でしょう?
ag(駆り立てる・する)+ -ent(〜する人)= 行う者、能動的に動く側。agent とは行動するものなら人でも物でも指します。あなたの代わりに動く人(real-estate agent「不動産業者」)、ひそかに動く人(secret agent「秘密諜報員」)、何かを引き起こす物質(cleaning agent「洗浄剤」)です。共通しているのは常に「能動的な原因」ということです。
Her agent negotiated the book deal.
He turned out to be a foreign agent.
agent + -cy(状態・職)= 代理人の職務、あるいは行動する力。意味は2つあります。あなたの代わりに動く組織(travel agency「旅行代理店」)と、哲学的な意味での agency、つまり自分自身のために行動する力です。
She works for an advertising agency.
The reform gave workers more agency over their schedules.
その他の派生語 · 40語
派生語の一覧は語根ページでご覧いただけます。
学習のヒント
act と ag は同じ語根の2つのつづりです。agent や agency のように -ent / -ency の前では ag の形がよく現れます。どちらを見かけても、まず「だれかが何かをしている」とイメージしてください。
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まとめクイズ
語根 act の意味はどれですか?