act
ラテン語 Latinする、行う、動かす
この語根について
語根 act は、ラテン語の中でも指折りの働き者の動詞 agere から来ています。agere は「する、駆り立てる、動かす」という意味で、ローマの農夫が牛を追うときにも、将軍が軍を率いるときにも、弁護士が弁論をするときにも使われた言葉です。ラテン語の動詞は二つの語幹を残します。現在語幹(agere に見える ag-)と、過去分詞の語幹(actus「なされた、駆り立てられた」の act-)です。英語はその両方を受け継ぎ、目に触れる機会が多いのは act- のほうになりました。
actus からは、まずいちばんシンプルな単語が生まれました。act(なされたこと、行う)と action(行うこと、行動)です。接尾辞を付ければ人や性質を表す語になります。actor は演じる人、activist は信念に基づいて行動する人、activity は活動している状態、activate は何かを動き出させること(活性化する)です。
act の本当の力が発揮されるのは、接頭辞が行為に「向き」を与えるときです。
- re-(元へ)+ act → react:何かに対して 返して 行動する=反応する
- inter-(間)+ act → interact:互いの 間で 行動する=相互に作用する
- counter-(逆らって)+ act → counteract:逆向きに 働いて打ち消す
- en-(〜にする)+ act → enact:何かを行動に する=法律を制定する
- trans-(向こうへ)+ act → transaction:二者の間を 渡って 行われる取引
- retro-(後ろへ)+ active → retroactive:時間を さかのぼって 効力が及ぶ=遡及的な
一つだけ、出自をすっかり隠している仲間がいます。exact です。これは ex-(外へ)+ agere から来ていて、文字どおりには「追い出す」「量り出す」という意味でした。ローマの徴税人は相手から支払いを「追い出す」ようにして exact(取り立てる)しましたし、何かをきっちり量り出すことは exact(正確な)であることです。「正確な」と「無理に取り立てる」という二つの意味は、ちょうどの量まで何かを追い出すという同じ行為の表と裏なのです。
パターンに注目しましょう。act は「する」という中心の意味を保ち続け、接頭辞がその行為の向きを示します。返す(react)、間で(interact)、逆らって(counteract)、外へ(exact)。双子の語幹 ag-(agent、agenda、agile)は同じ動詞の現在形のほうを受け継いでいます。二つは実は、形を変えて現れた一つのラテン語なのです。
舞台の actor(アクター)を思い浮かべてください。俳優の仕事はまさに する こと、act することです。act- の単語はどれも、ある向きへの「する」を表します。re-act(返してする)、inter-act(間でする)、counter-act(逆らってする)。双子の ag- は、同じ動詞がまだ動いている形です(agent、agile、agitate)。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
reactre-(元へ、返して)+ act で「返して行動する」。何かがぶつかってきたら、それに対して行動を返す、それが反応です。この語には二つの顔があります。日常英語では感情や人間関係の意味(react to bad news=悪い知らせに反応する)、化学では文字どおりの意味(二つの物質が反応する)。どちらも「何かが押し、何かが押し返す」という同じイメージから来ています。
re-(元へ、返して)+ act で「返して行動する」。何かがぶつかってきたら、それに対して行動を返す、それが反応です。この語には二つの顔があります。日常英語では感情や人間関係の意味(react to bad news=悪い知らせに反応する)、化学では文字どおりの意味(二つの物質が反応する)。どちらも「何かが押し、何かが押し返す」という同じイメージから来ています。
react を見るexact意外な仲間です。exact = ex-(外へ)+ agere(駆り立てる)=「追い出す、量り出す」。ローマの徴税人は相手からお金を追い出すようにして exact しました(動詞:無理に取り立てる、要求する)。一方、ちょうどの量まできっちり量り出すことから形容詞の exact(一粒の狂いもなく正確な)が生まれました。追い出すという同じ行為から二つの意味ができたのです。
意外な仲間です。exact = ex-(外へ)+ agere(駆り立てる)=「追い出す、量り出す」。ローマの徴税人は相手からお金を追い出すようにして exact しました(動詞:無理に取り立てる、要求する)。一方、ちょうどの量まできっちり量り出すことから形容詞の exact(一粒の狂いもなく正確な)が生まれました。追い出すという同じ行為から二つの意味ができたのです。
exact を見るtransactiontrans-(向こうへ)+ act(する)+ -ion = 二者の間を渡って行われること。もともとは商売を「最後までやり通すこと」全般を指していましたが、今では商取引の単位を表します。お金と品物が売り手と買い手の間を行き来するのです。カードで支払うたびに、あなたはカウンター越しの取引を一つ完了させていることになります。
trans-(向こうへ)+ act(する)+ -ion = 二者の間を渡って行われること。もともとは商売を「最後までやり通すこと」全般を指していましたが、今では商取引の単位を表します。お金と品物が売り手と買い手の間を行き来するのです。カードで支払うたびに、あなたはカウンター越しの取引を一つ完了させていることになります。
transaction を見るenacten-(〜にする)+ act で「行動にする」。二つの顔があります。法律の場面では、法律を enact することで紙の上の言葉が拘束力のある行動に変わります(制定する)。演劇の場面では、場面を enact することで台本が演じられた行動に変わります(上演する、演じる)。どちらも、考えを実際に行われることへ変えるという点で共通しています。
en-(〜にする)+ act で「行動にする」。二つの顔があります。法律の場面では、法律を enact することで紙の上の言葉が拘束力のある行動に変わります(制定する)。演劇の場面では、場面を enact することで台本が演じられた行動に変わります(上演する、演じる)。どちらも、考えを実際に行われることへ変えるという点で共通しています。
enact を見る関連する語根
関連する単語 · 59
actually
実際に、本当に;実は
action
行動、行為;措置
activity
活動;活発さ
practice
練習;実践;慣習;練習する
agency
代理店、機関;作用、主体性
exactly
正確に、ちょうど;その通り
act
行動する;演じる;行為;法令
agent
代理人、仲介業者;諜報員;作用物
reaction
反応、反響;化学反応
active
活動的な、積極的な;作動中の
actor
俳優;行為者、当事者
actual
実際の、現実の
interaction
交流、やりとり;相互作用
agenda
議題、協議事項;予定表
activist
活動家
react
反応する;化学反応を起こす
actress
女優
exact
正確な;強要する
transaction
取引;処理
actively
活発に、積極的に
interact
交流する;相互に作用する
enact
制定する;演じる
interactive
双方向の、対話型の
activate
作動させる、起動する、活性化する