英単語が一気に増える|覚えておきたいラテン語の語根10選
英語の語彙に、いちばん多くの単語を送り込んできた言語はラテン語です。英単語の6割以上がラテン語にさかのぼるといわれ、学術的な文章になるとその割合はさらに高くなります。ということは、何千もの単語を一つずつ覚える必要はありません。ラテン語の語根をいくつか押さえておくだけで、単語のファミリーをまるごと読み解けるようになります。
ここでは、特に生産性の高いラテン語の語根を10個紹介します。どれも、よく使う英単語を何十語も生み出している語根ばかりです。
1. duct / duc — 導く
「導く」「案内する」「方向づける」といった意味の単語を作る語根です。
- conduct(con + duct)— ともに導く → 指揮する、ふるまう
- produce(pro + duce)— 前へ導く → 生み出す、作る
- introduce(intro + duce)— 内へ導く → 取り入れる、紹介する
- reduce(re + duce)— 元へ導く → 減らす、小さくする
- educate(e + duc + ate)— 外へ導く → 知識を引き出す、教育する
2. port — 運ぶ
物を動かしたり運んだりするイメージの単語なら、まずこの語根を思い浮かべてください。
- transport(trans + port)— 向こうへ運ぶ → 輸送する
- export(ex + port)— 外へ運ぶ → 輸出する
- import(im + port)— 中へ運ぶ → 輸入する
- support(sub + port)— 下から運ぶ → 支える
- report(re + port)— 持ち帰る → 情報を持ち帰って伝える、報告する
3. struct — 建てる
struct を見かけたら、「建てる」「組み立てる」と考えましょう。
- construct(con + struct)— 組み合わせて建てる → 建設する
- destroy(ラテン語の段階では de + struct)— 建てたものを崩す → 破壊する
- instruct(in + struct)— 相手の頭の中に組み立てる → 教える
- structure — 物の組み立てられ方 → 構造
- infrastructure(infra + structure)— 下にある構造 → 基盤、インフラ
4. spect / spec — 見る
「見る」「眺める」がこの語根の核となる意味です。
- spectator — 見る人 → 観客
- inspect(in + spect)— 中をのぞき込む → 検査する
- expect(ex + spect)— 外を見やる → 予期する、期待する
- respect(re + spect)— 振り返って見る → 尊敬する
- perspective(per + spect + ive)— 見通すこと → 視点、観点
5. rupt — 壊れる
何かが割れたり、はじけたりする単語には、たいてい rupt が潜んでいます。
- interrupt(inter + rupt)— 間を割る → 割り込む、中断させる
- erupt(e + rupt)— 破れて外へ出る → 噴火する、勃発する
- corrupt(cor + rupt)— すっかり壊す → 高潔さを損なう、堕落させる
- disrupt(dis + rupt)— ばらばらに壊す → 混乱させる
- bankrupt(bank + rupt)— 壊れた bank → 経済的に破綻した、破産した
6. scrib / script — 書く
この2つは同じ語根の別の形です。動詞には scrib、名詞には script がよく現れます。
- describe(de + scribe)— 書き留める → 描写する
- prescription(pre + script + ion)— 前もって書かれたもの → 処方箋
- subscribe(sub + scribe)— 下に書く(署名する) → 申し込む、定期購読する
- manuscript(manu + script)— 手で書かれたもの → 原稿、写本
- transcript(trans + script)— 写し書かれたもの → 記録、写し
7. dict — 言う、話す
「話す」「宣言する」という意味を運ぶ語根です。
- dictionary — 言葉を集めた本 → 辞書
- predict(pre + dict)— 前もって言う → 予言する、予測する
- contradict(contra + dict)— 反対のことを言う → 反論する、矛盾する
- dictate — 相手が書き取れるように声に出して言う → 口述する
- verdict(ver + dict)— 真実を言うこと → 評決、判断
8. grad / gress — 歩む、進む
grad と gress は、同じ語根の2つの形です。
- progress(pro + gress)— 前へ歩む → 進歩する、前進
- graduate — 一歩進む(次の段階へ) → 卒業する
- aggressive(ag + gress + ive)— 相手に向かって進む → 攻撃的な
- regress(re + gress)— 後ろへ歩む → 後退する
- ingredient(in + gredi + ent)— 中に入っていくもの → 材料、成分
9. tract — 引く
何かを「引っ張る」「引き寄せる」単語では、tract を探してみましょう。
- attract(at + tract)— こちらへ引く → 引きつける
- extract(ex + tract)— 引き抜く → 抽出する
- contract(con + tract)— 互いに引き寄せる → 契約
- distract(dis + tract)— 別々の方へ引く → 注意をそらす
- subtract(sub + tract)— 下から引き抜く → 差し引く、引き算する
10. ject — 投げる
「投げる」「投げ出す」がこの語根の中心です。
- project(pro + ject)— 前へ投げる → 投影する、計画
- reject(re + ject)— 投げ返す → 拒絶する
- inject(in + ject)— 中へ投げ入れる → 注入する、注射する
- subject(sub + ject)— 下に投げられたもの → 支配下に置かれた、臣下
- objection(ob + ject + ion)— 向かって投げつけること → 異議、反対
この10個の語根が大切な理由
この10個の語根だけで、500語を超えるよく使う英単語が理解しやすくなります。知らない単語に出会ったら、次の手順で分解してみてください。
- 語根を見つける — 核となる意味は何か?
- 接頭辞を確かめる — その意味がどう変えられているか?
- 接尾辞を見る — どの品詞になっているか?
この3ステップで、単語学習は丸暗記から理解へと変わります。そして、理解して覚えたことは、機械的な暗記よりずっと長く記憶に残ります。
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