capit
ラテン語 Latin頭;長、主要な
この語根について
語根 capit は、ラテン語の caput, capitis、つまりずばり「頭」から来ています。ただ、頭はただの体の一部ではありません。体のいちばん上にあり、全体を率い、そして一つ、二つと数えることができます。頭が持つこの三つの性質から、英語の単語の一大ファミリーが生まれました。どの性質が使われているかがわかれば、ファミリー全体がすっきり見通せるようになります。
頭は率いる。 集団の「頭」に立つ人は、その集団を仕切る人です。後期ラテン語の capitaneus(「長たる者」)から、英語の captain が生まれました。船やチームの「頭」、つまり船長やキャプテンのことです。同じラテン語はフランス語を二度くぐり抜け、二つの違う姿で英語にやって来ました。一つは chief(一族や部署の長)、もう一つはずっと後の chef です。chef はもともと chef de cuisine、つまり「厨房の頭」のことでした。chief と chef は文字どおり同じ単語なのです。フランス語でラテン語の硬い c の音が「シュ」の音にやわらぎ、英語はそれを早い時期に一度(chief)、ずっと後にもう一度(chef)借りた、というわけです。形容詞の capital もこの意味の流れにあります。capital city(首都)は国の「頭」にあたる都市であり、capital crime(死刑に当たる罪)とは、首を失うほど重い罪のことです。
頭はてっぺんにある。 頭は体のいちばん上にあるので、capit は「最上の、主要な」という意味も持つようになりました。capital letter(大文字)は文の頭に来る大きな文字です。お金の話で capital(資本、元金)といえば、そこからすべてが増えていく元手のことです。chapter(章)はラテン語の capitulum(「小さな頭」)から来た語で、それぞれ自分の見出しの下に置かれた区切りを指します。capitulate はもともと、降伏の条件を見出しごとに一項目ずつまとめることを意味していました。そして recapitulate は、その主な見出しをもう一度たどり直すこと、つまり「要約する」ことです。
頭は数えられる。 一人につき頭は一つです。capitation は一人あたりにかける税(人頭税)のことで、per capita は人口の「一人あたり」という意味になります。
頭から真っ逆さまに。 caput に prae-(「前に、前方へ」)をつけると、頭から前へつんのめるイメージになります。precipice は、頭から真っ逆さまに落ちかねない断崖の縁です。precipitate は物を真っ逆さまに投げ込むこと、つまり物事を急に引き起こすことを意味し、precipitation は空から真っ逆さまに落ちてくるもの、つまり雨や雪(降水)のことです。
注意したい落とし穴があります。capit(頭)は cap(取る、つかむ)とよく似ていますが、別の語根です。意味が「率いる」「てっぺん」「頭数を数える」に関わるなら capit、「つかむ」「保つ」に関わるなら cap(capture, accept, receive)と覚えておきましょう。
文の頭に来る capital letter(大文字)と、船の頭に立つ captain(船長)を思い浮かべてください。capit- の単語はどれも「頭」の話です。率いる頭(captain, chief, chef)、てっぺんの頭(capital, chapter)、数える頭(per capita)。precipice でさえ、崖から頭から真っ逆さまに落ちるイメージです。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
capital一つの単語に三つの意味があり、どれも「頭」から来ています。capital city(首都)は国の「頭」の都市、capital letter(大文字)は単語の頭に来る大きな文字、そしてお金の capital(資本、元金)は利子が増えていくもとになる「頭」の金額です。capital crime(死刑に当たる罪)に至っては、文字どおり首が危うくなります。capital に出会ったら、「何の頭?」と考えてみましょう。都市か、文字か、お金か、です。
一つの単語に三つの意味があり、どれも「頭」から来ています。capital city(首都)は国の「頭」の都市、capital letter(大文字)は単語の頭に来る大きな文字、そしてお金の capital(資本、元金)は利子が増えていくもとになる「頭」の金額です。capital crime(死刑に当たる罪)に至っては、文字どおり首が危うくなります。capital に出会ったら、「何の頭?」と考えてみましょう。都市か、文字か、お金か、です。
capital を見るchiefchief と chef は、同じラテン語(caput → フランス語 chef「頭」)を二度借りたものです。英語は早い時期に chief を取り入れ、一族や部署、リストの「頭」を表すようになりました(chief executive「最高経営責任者」、chief concern「最大の関心事」)。何世紀も後、今度は現代フランス語から直接 chef を借りました。フランス語の chef de cuisine は「厨房の頭」という意味です。同じ「頭」が、二度にわたってやって来たのです。
chief と chef は、同じラテン語(caput → フランス語 chef「頭」)を二度借りたものです。英語は早い時期に chief を取り入れ、一族や部署、リストの「頭」を表すようになりました(chief executive「最高経営責任者」、chief concern「最大の関心事」)。何世紀も後、今度は現代フランス語から直接 chef を借りました。フランス語の chef de cuisine は「厨房の頭」という意味です。同じ「頭」が、二度にわたってやって来たのです。
chief を見るprecipiceprae-(前に、頭を先にして)+ caput(頭)で、「頭から前へつんのめる」という意味になります。precipice は、頭から真っ逆さまに落ちかねない断崖の縁のことです。同じ「頭から真っ逆さま」のイメージが、precipitate(物事を真っ逆さまに、つまり急に引き起こす)や precipitation(空から真っ逆さまに落ちてくるもの=雨や雪)にも生きています。「険しさ」も「突然さ」も、この真っ逆さまの落下から来ているのです。
prae-(前に、頭を先にして)+ caput(頭)で、「頭から前へつんのめる」という意味になります。precipice は、頭から真っ逆さまに落ちかねない断崖の縁のことです。同じ「頭から真っ逆さま」のイメージが、precipitate(物事を真っ逆さまに、つまり急に引き起こす)や precipitation(空から真っ逆さまに落ちてくるもの=雨や雪)にも生きています。「険しさ」も「突然さ」も、この真っ逆さまの落下から来ているのです。
precipice を見るcapitulateラテン語の capitulum(「小さな頭」→ 見出し)から来た capitulate は、もともと降伏の条件を見出しごとに一項目ずつまとめることを意味していました。やがて交渉の意味は薄れ、「屈する」という部分だけが残りました。今では capitulate は単に「圧力に屈する、降伏する」という意味です。兄弟語の recapitulate は、その同じ見出しをもう一度たどり直すこと、つまり「要点をまとめる、要約する」ことです。
ラテン語の capitulum(「小さな頭」→ 見出し)から来た capitulate は、もともと降伏の条件を見出しごとに一項目ずつまとめることを意味していました。やがて交渉の意味は薄れ、「屈する」という部分だけが残りました。今では capitulate は単に「圧力に屈する、降伏する」という意味です。兄弟語の recapitulate は、その同じ見出しをもう一度たどり直すこと、つまり「要点をまとめる、要約する」ことです。
capitulate を見るchapterこれも capitulum「小さな頭」から来ています。本の各 chapter には見出し、つまり区切りのてっぺんにつく「小さな頭」がついていました。目に見える見出しを指していた chapter は、やがてその区切り自体(章)を意味するようになり、さらには人生や物語のひとつの段階(a new chapter「新たな章」)も表すようになりました。てっぺんの頭が、その後に続く内容に名前をつけているのです。
これも capitulum「小さな頭」から来ています。本の各 chapter には見出し、つまり区切りのてっぺんにつく「小さな頭」がついていました。目に見える見出しを指していた chapter は、やがてその区切り自体(章)を意味するようになり、さらには人生や物語のひとつの段階(a new chapter「新たな章」)も表すようになりました。てっぺんの頭が、その後に続く内容に名前をつけているのです。
chapter を見る関連する語根
cap と capit は見た目がよく似ていますが、意味で見分けられます。cap(capere から)は「取る、つかむ、保つ」の意味で、capture, accept, receive, capable などを作ります。capit(caput から)は「頭」の意味で、capital, captain, chapter などを作ります。形がそっくりで重なって見える語形もありますが、見分け方は簡単です。つかむ・保つなら cap、率いる・てっぺん・頭数を数えるなら capit です。
どちらも体の部位の名前が、抽象的な概念を表す語根になったものです。capit は「頭」(リーダーシップ、てっぺん)、corp は「体」(ひとまとまりの全体。corporation「法人」、corpse「死体」、incorporate「組み込む」)です。上から率いられるものなら capit、一つのまとまった体をなすものなら corp と考えましょう。
関連する単語 · 24
capital
首都;資本;大文字;主要な
chief
長、首領;主要な
chapter
章;(人生の)一時期
chef
料理人、シェフ
captain
船長、機長;主将;(陸軍)大尉
capitalism
資本主義
capitalist
資本家;資本主義の
capitalize
大文字で書く;資本を投じる;(機会などを)利用する
chiefly
主に、主として;とりわけ
precipitation
降水、降水量;沈殿;性急
capitalization
大文字使用;資本化;時価総額
precipitous
険しい、切り立った;性急な
capitulate
降伏する、屈服する
precipitously
急激に;険しく;性急に
precipice
絶壁、断崖;危機
capitulation
(条件付き)降伏;屈服
capitalistic
資本主義的な
recapitulate
要約する、要点を繰り返す
recapitulation
要約;(音楽の)再現部
capitation
人頭税;1人当たりの料金
precipitant
沈殿剤;性急な、軽率な
captaincy
キャプテン・船長の地位、主将の任期
capital-gains
資本利得、キャピタルゲイン
well-capitalized
資本の充実した