mun
ラテン語 Latin務め、贈り物、共有の
この語根について
語根 mun は、ラテン語の mūnus から来ています。この単語には意外なほど社会的な意味がありました。mūnus とは、自分の共同体に対して負う 務め、つまり公職や、集団のために果たす奉仕のことでした。同時に、その結びつきの一部として交わされる 贈り物 も意味していました。ローマの暮らしでは、務めと贈り物はコインの表裏のようなものでした。人は自分の町に奉仕する義務を負い、贈り物をして人と人を結びつけていたのです。務め と 贈り物、この2つの意味を覚えておいてください。この語族の単語はすべて、どちらか一方から育っています。
最も重要な枝は、形容詞 commūnis = com-(共に)+ mūnis(務めを分かち合う)から始まります。commūnis なものとは、みんなでその負担と恩恵を分かち合うものです。ここから次の単語が生まれました。
- common:みんなに共有された、全員のもの(これは commūnis そのもので、mon「警告する」とは 関係ありません)
- community:その共通の暮らしを分かち合う人々の集まり、共同体
- communal:集団に属する、共有の
- communicate:文字どおり 共有のものにする、つまり考えを共有の場に置いて、ほかの人も持てるようにすることです。伝えても、その考えを自分が失うわけではありません。分かち合う のです。まさに、手放さずに与えられる贈り物のようなものです。
- communism / communist:財産は 共有 されるべきだという政治思想
2つめの枝は、素の mūnus =務め を保っています。接頭辞 in-(〜でない、〜を免れた)を付けると immūnis、つまり 務めを免れた になります。ローマでは、immūnis な人は公的な奉仕や税を免除されていました。何世紀も後に、医師たちがこの言葉を借りました。ある病気に対して immune な体とは、その病気がもはや「取り立て」をできない体、つまり 免除された 体なのです。
- immune:免除された;(医学で)免疫がある、病気にかからない
- immunity:その免除。法的なもの(diplomatic immunity 外交特権)にも生物学的なもの(免疫)にも使います
- immunize:病気に対してその免除を与える、免疫をつける
3つめの枝は、mūnus =贈り物 を保っています。facere(作る、する)と組み合わせると munificent、文字どおり 贈り物をする で、そこから「気前のよい、物惜しみしない」という意味になりました。その性質は munificence です。また re-(返して)+ mūnus からは remunerate(贈り物を返す → 報酬を支払う)が生まれ、remunerative な仕事とはしっかり見返りのある、割のよい仕事のことです。
このつながりが見えれば、語族全体がひとつにまとまります。mūnus とは、集団に対して負い、集団の中で交わすものです。その務めを分かち合えば common、community、communicate。務めから解放されれば immune。務めを贈り物に変えれば munificent、remunerative です。
町のみんなで少しずつ出し合ってひとつの共同菜園を作る場面を思い浮かべてください。それが community(コミュニティ)で、common(共通の)務め mūnus の上に成り立っています。ひねりが2つあります。出し合う務めを免除された人は immune(務めを免れた)、自分の分をはるかに超えて与える人は munificent(すべてが贈り物)です。分かち合う務め、免除される務め、贈り物に変わる務め、と覚えましょう。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
commonmon(警告する)を含むと誤解されやすい単語ですが、common は commūnis = com-(共に)+ mūnis(務めを分かち合う)そのものです。common なものとは、集団全体でその負担を分かち合うものです。そこから「全員に属する」、さらに「ありふれた、よくある」(みんなが持っていて、誰も特別に大切にしないもの)という意味になりました。「共有の」から「ありふれた」への飛躍こそが、この単語の物語のすべてです。
mon(警告する)を含むと誤解されやすい単語ですが、common は commūnis = com-(共に)+ mūnis(務めを分かち合う)そのものです。common なものとは、集団全体でその負担を分かち合うものです。そこから「全員に属する」、さらに「ありふれた、よくある」(みんなが持っていて、誰も特別に大切にしないもの)という意味になりました。「共有の」から「ありふれた」への飛躍こそが、この単語の物語のすべてです。
common を見るcommunicate文字どおり「共有のものにする」(commūnic- + -ate)という意味です。この単語の素晴らしいところは、伝えることが、考えを共有の場に出しても自分からは失われない、という点にあります。与えながら同時に手元にも残る贈り物(mūnus)のようなものです。日本語の「コミュニケーション」も、一方的に伝えるだけでなく、分かち合うことだと考えると語源どおりに理解できます。
文字どおり「共有のものにする」(commūnic- + -ate)という意味です。この単語の素晴らしいところは、伝えることが、考えを共有の場に出しても自分からは失われない、という点にあります。与えながら同時に手元にも残る贈り物(mūnus)のようなものです。日本語の「コミュニケーション」も、一方的に伝えるだけでなく、分かち合うことだと考えると語源どおりに理解できます。
communicate を見るimmunein-(〜でない、〜を免れた)+ mūnis(務め)で「務めを免れた」。ローマの immūnis な人は税を払わず、公的な奉仕もしませんでした。医学はこのイメージを再利用しました。immune な体とは、病気がもはや「税を取り立て」られない体、つまり免除された体なのです。同じ比喩は diplomatic immunity(外交特権、現地の法律からの免除)にも残っています。
in-(〜でない、〜を免れた)+ mūnis(務め)で「務めを免れた」。ローマの immūnis な人は税を払わず、公的な奉仕もしませんでした。医学はこのイメージを再利用しました。immune な体とは、病気がもはや「税を取り立て」られない体、つまり免除された体なのです。同じ比喩は diplomatic immunity(外交特権、現地の法律からの免除)にも残っています。
immune を見るcommunitycommon の背後にある集合名詞で、共通の暮らし・場所・関心を分かち合う(mūnus)人々の集まりを指します。commūnis をそのまま土台にしているので、「分かち合う務めと恩恵」という核がそのまま残っています。community を決めるのは、そのメンバーが共に持ち、共に担っているものなのです。
common の背後にある集合名詞で、共通の暮らし・場所・関心を分かち合う(mūnus)人々の集まりを指します。commūnis をそのまま土台にしているので、「分かち合う務めと恩恵」という核がそのまま残っています。community を決めるのは、そのメンバーが共に持ち、共に担っているものなのです。
community を見る関連する語根
mun(mūnus「務め、贈り物、共有の」)は mon(monēre「警告する、忠告する」:monitor、admonish、premonition)とは **別物** です。common は mon を含んでいそうに見えますが、実際は commūnis(mun)です。見分け方は、共有・務め・免除なら mun、警告・思い出させるなら mon です。
mun / commun-(共有の、共通の)は、ギリシャ語の mono-(ひとつの、単一の:monologue、monopoly)とは無関係です。見た目が似ているだけです。commun- は「共に、共有の」、mono- は「ちょうどひとつ」です。
munificent / munificence は mūnus(贈り物)+ facere(作る)で、「贈り物をすること」です。-fic の部分は、factory、manufacture、beneficial に見られるのと同じ fac の語根です。
関連する単語 · 15
community
地域社会、共同体
common
共通の;普通の、よくある
communication
意思の疎通、伝達;通信
communicate
伝える、意思を通じ合う
immune
免疫のある;影響を受けない;免除された
municipal
市の、市営の;地方自治の
communist
共産主義者;共産主義の
communal
共同の、共用の;共同体の
immunity
免疫;免除、免責特権
communism
共産主義
municipality
地方自治体、市町村
immunize
免疫にする、予防接種する
remunerative
報酬のよい、もうかる
munificent
気前のよい、物惜しみしない
munificence
気前のよさ