sit
ラテン語 Latin座る、定まる
この語根について
語根 sit(sid / sed / sess)は、ラテン語の sedēre「座る」にさかのぼります。言葉の中でも特に古く、からだの動きそのものを表す動詞のひとつです。ローマ人にとって sedēre とは、ベンチに腰を下ろしてその場にとどまることでした。「ひとつの場所に落ち着いている」というこのイメージが英単語の大きな一族へと広がっていきます。読み解くコツは、「誰が、どこに座っているのか」を問い続けることです。
現在形の語幹は、複合語の中では -sid- として残り、接頭辞が座る位置を教えてくれます。
- re-(後ろへ、元へ)+ sidēre → reside:ある場所に腰を落ち着けてとどまる → 住む。そこから resident(住民)、residence(住居)。
- prae-(前に)+ sidēre → preside:集会の前方、議長の席に座る → 取り仕切る。前に座る人が president(議長、大統領)で、その職が presidency です。
- sub-(下へ)+ sidēre → subside:腰を下ろす、沈む。洪水が引く、痛みが治まる、地盤が沈下する、というときに使います。苦しむ産業の「下に座って」支える政府の助成金は subsidy(動詞は subsidize)です。
- dis-(離れて)+ sidēre → dissident:公式の路線から「離れて座る」人 → 異議を唱える人、反体制派。
- in-(中に、上に)+ sidēre → insidious:待ち伏せのように「潜んで座っている」。insidious なものは、ずっと待ち伏せていたからこそ、ゆっくりとこっそり害を与えます。
- super-(上に)+ sēdēre → supersede:上に座って、古いものに取って代わる。(つづりが -cede ではなく、珍しい -sede である点に注意。)
過去分詞の語幹 sess-(sessus)からは第二の波が生まれます。接頭辞が同化していることもよくあります。
- みんなで座っている期間が session です。「開廷している」法廷、開会中の会議、さらには開いたままのログインセッションもそうです。
- ad-(〜のそばへ)+ sess- → assess:もともとは、税額を決めるために長官の「そばに座った」補佐役のことでした。そこから assessment(評価)、assessor(査定人)、reassess(再評価する)が生まれました。
- ob-(上に、向かって)+ sess- → obsess:あなたの上に「居座って」どこうとしない考え。あなたは obsessed(取りつかれた)状態になり、obsession(強迫観念)にとらわれます。
- pot-(〜できる、力のある)+ sess- → possess:何かの上に座ることができる → 占めて自分のものにする。そこから possession(所有)、possessive(独占欲の強い)、repossess(取り戻す)、dispossessed(奪われた)。
sed- から直接来た、少し目立たないメンバーもいます。sediment(沈殿物)は液体の底に「座り込む」もの、sedentary(座りがちな)なものはあなたを座らせたままにします。sedate(落ち着いた)や sedative(鎮静剤)は、座っているかのようにあなたを静かにさせます。
一族全体のルールはこうです。まず sit(sid / sed / sess)を見つけ、あとは接頭辞に座る位置を教えてもらいましょう。前に座る → preside。離れて座る → dissident。上に座る → obsess や possess。腰を落ち着ける → reside。座席が見えれば、一族のどの単語にも座る場所が見つかります。
sit / sid / sed / sess の単語はどれも、誰か(何か)が席に着く話です。president は部屋の前に座り、resident は腰を落ち着けてとどまり、sediment は底に座り込み、obsession は心の上に居座って動きません。座席を見つけたら、どこに座っているかは接頭辞に教えてもらいましょう。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
presidentいちばんなじみのある単語に、いちばんはっきりしたイメージが隠れています。ラテン語の prae-(前に)+ sidēre(座る)=「前に座る人」。国家元首を意味する前は、単に集会の前の席に座って会議を進める人、つまり議長のことでした。だから今でも、夕食会や委員会を preside over(取り仕切る)と言えるのです。前の席に着く、ということです。
いちばんなじみのある単語に、いちばんはっきりしたイメージが隠れています。ラテン語の prae-(前に)+ sidēre(座る)=「前に座る人」。国家元首を意味する前は、単に集会の前の席に座って会議を進める人、つまり議長のことでした。だから今でも、夕食会や委員会を preside over(取り仕切る)と言えるのです。前の席に着く、ということです。
president を見るinsidious語源の中に恐ろしさが潜んでいる単語です。in-(中に)+ sidēre(座る)=「潜んで待つ」、つまり待ち伏せの姿勢です。ラテン語の insidiae は「待ち伏せ」という意味でした。だから insidious は、騒がしく目に見える害には使いません。ずっと静かに身を潜めていて、手遅れになってから姿を現す害を表します。an insidious disease(知らぬ間に進行する病気)、an insidious lie(じわじわ効いてくる嘘)のように使います。
語源の中に恐ろしさが潜んでいる単語です。in-(中に)+ sidēre(座る)=「潜んで待つ」、つまり待ち伏せの姿勢です。ラテン語の insidiae は「待ち伏せ」という意味でした。だから insidious は、騒がしく目に見える害には使いません。ずっと静かに身を潜めていて、手遅れになってから姿を現す害を表します。an insidious disease(知らぬ間に進行する病気)、an insidious lie(じわじわ効いてくる嘘)のように使います。
insidious を見るpossess一見すると「座る」の単語にはまったく見えません。ラテン語の potis(〜できる、力のある)+ sedēre(座る)=「上に座ることができる」、つまり席を占めて自分のものにすることです。土地を possess するとは、文字どおりその上に腰を据えることでした。同じ語源から、「霊が人に取りつく」という不気味な意味も説明できます。霊が人の中に座り込み、支配の座を奪うのです。What possessed you?(何に取りつかれたんだ?
一見すると「座る」の単語にはまったく見えません。ラテン語の potis(〜できる、力のある)+ sedēre(座る)=「上に座ることができる」、つまり席を占めて自分のものにすることです。土地を possess するとは、文字どおりその上に腰を据えることでした。同じ語源から、「霊が人に取りつく」という不気味な意味も説明できます。霊が人の中に座り込み、支配の座を奪うのです。What possessed you?(何に取りつかれたんだ? → どうしてそんなことをしたの?)は、「何があなたの心に座り込んで乗っ取ったのか」ということです。
possess を見るsubsidysub-(下に)+ sidēre(座る)→ ラテン語の subsidium は、前線の「後ろに控えて」支援に備える予備部隊のことでした。この軍事的な後ろ盾が、人や産業の下に控えて崩れないように支える、あらゆる経済的な後ろ盾へと広がりました。政府の subsidy(補助金)は、農家や住宅、燃料を下支えします。姉妹語の subside(腰を下ろす → 沈む)は、同じ語根が別の方向へ働いた例です。
sub-(下に)+ sidēre(座る)→ ラテン語の subsidium は、前線の「後ろに控えて」支援に備える予備部隊のことでした。この軍事的な後ろ盾が、人や産業の下に控えて崩れないように支える、あらゆる経済的な後ろ盾へと広がりました。政府の subsidy(補助金)は、農家や住宅、燃料を下支えします。姉妹語の subside(腰を下ろす → 沈む)は、同じ語根が別の方向へ働いた例です。
subsidy を見るobsessob-(上に、向かって)+ sess-(座った)=「上に座る、包囲する」。ローマ人は、敵軍が町のまわりに腰を据えて包囲することにこの語を使いました。この包囲のイメージはぴったりです。obsession とは、心のまわりに陣を張って引き上げようとしない考えのことです。自分で選んだものではなく、向こうがあなたの上に居座っているのです。
ob-(上に、向かって)+ sess-(座った)=「上に座る、包囲する」。ローマ人は、敵軍が町のまわりに腰を据えて包囲することにこの語を使いました。この包囲のイメージはぴったりです。obsession とは、心のまわりに陣を張って引き上げようとしない考えのことです。自分で選んだものではなく、向こうがあなたの上に居座っているのです。
obsess を見る関連する語根
sit(sedēre)は一か所に落ち着いていること、sta(stāre)はしっかり立っていることです。どちらもその場にとどまることを表しますが、姿勢は正反対、座るか立つかです。residence(腰を落ち着ける場所)と、constant / stable(立ち続けるもの)を比べてみてください。腰を下ろして落ち着くイメージなら sit、まっすぐ立って保つイメージなら sta です。
どちらも「ある場所にとどまる」という意味になり得ます。reside(腰を落ち着ける)と remain(manēre「とどまる」から)は重なりますが、reside は住まいがある、どこかに位置している、ということで、remain は他のものが去ったあとも残り続ける、ということです。He resides in Paris(パリに住んでいる)と only three remained(3人だけが残った)を比べてみてください。
関連する単語 · 98
sit
座る、腰かける
president
大統領;社長、会長
consider
よく考える;みなす
site
場所、用地、現場;ウェブサイト
situation
状況、事態;立場
size
大きさ、寸法;サイズ
resident
住民、居住者;居住している、常駐の
session
会合、会期;授業時間;セッション
assessment
評価、査定
presidential
大統領の;大統領らしい
assess
評価する、査定する;課税する
settlement
解決、和解;入植地、集落
possess
所有する;(考えなどが)取りつく
presidency
大統領の職;大統領の任期
possession
所有;所有物、財産
residence
住居、邸宅;居住
residential
住宅の、居住の
subsidy
補助金、助成金
reside
住む、居住する;(性質などが)存在する
settler
入植者、開拓者
obsession
強迫観念、執着
situate
置く、位置づける
preside
議長を務める、司会する;統括する
subsidize
補助金を出す、助成する