solv
ラテン語 Latinゆるめる、解く、溶かす
この語根について
語根 solv はラテン語の solvere「ゆるめる、ほどく、解き放つ」から来ています。思い描く場面はとても具体的です。結び目、ロープ、きずな、そしてそれを ほどく 動作です。solvere 自体も se-(離して)+ luere(ゆるめる)からできているので、生まれたときから「ばらばらにほどく」という意味でした。過去分詞は solūtum で、そのためこの一族は2つのつづりに分かれます。動詞の語幹 solv- と、過去分詞の語幹 solu- / solut- です。
「結び目をほどく」というイメージさえつかめば、一族全体がきれいに並びます。
- solve:頭の中の結び目をほどくこと。難しい問題はもつれた糸のようなもので、solve するとはそのもつれをほどくことです。solution は、ほどけた答え(解決策)であると同時に、化学では固体が「ばらばらにほどけて」液体に散らばった状態(溶液)も指します。同じ単語で2つの世界、問題の答えと、水に消えていく塩です。
- dis- + solvere → dissolve:何かを 完全にばらばらに ほどいて崩してしまうこと。紅茶に溶ける砂糖や、解散して消える議会がその例です。名詞は dissolution です。
- re- + solvere → resolve:文字どおりには「もう一度ほどく」。ここから2つの意味が育ちました。ひとつは solve に近いままで、紛争を resolve するとはそれをほどいて解決することです。もうひとつは飛躍します。迷いをすべてほどいて心をひとつの固い立場に落ち着かせると、行動しようと 決意する(resolve)ことになるのです。そこから resolution(固い決意、正式な決議)と resolute(断固とした)が生まれました。結び目を解き放つのと同じ「ほどく」が、あなたを迷いからも解き放つのです。
- ab- + solvere → absolve:人を罪や義務 から(ab-)ほどき放つ → 赦す、免除する。absolution は、司祭が正式に罪から解き放つこと(赦し)です。
- absolute は一族でいちばん大きな飛躍です。ラテン語の absolūtus は「あらゆるものからほどき放たれた」、つまり何にもつながれず、条件もなく、何にも依存しないという意味でした。「すべてのつながりから自由」から、現代の「完全な、全くの、無制限の」という意味が生まれました。absolute power(絶対的な権力)は何にも従わず、absolute zero(絶対零度)はそれ以上何にも縛られません。もとの「ほどく」はいまではほとんど見えませんが、だからこそ absolute は 相対的ではない という意味になるのです。
- solvent / insolvent は、この「ほどく」をお金の世界に持ち込みます。solvent であるとは、もともと自分の借金を ほどく(返済する、清算する)ことができる、という意味でした。insolvent な会社は自分の債務をほどけない、つまり支払い不能・破産状態です。化学での solvent(ものを溶かす液体、溶剤)とお金の意味は同じ比喩です。溶剤は固体を溶かし、solvent な人は借金を溶かすのです。
一族全体に共通しているのは ほどく という動作です。問題のもつれをほどく(solve)、液体の中で固体をばらばらにする(dissolve)、迷いをほどいて心を決める(resolve)、人を罪から解き放つ(absolve)、あらゆる条件から解き放たれている(absolute)、借金を清算する(solvent)。
きつく結ばれた結び目をほどくところを想像してください。solv- の単語はどれも何かをほどくことです。問題を solve する(もつれをほどく)、砂糖を dissolve する(液体の中にほどく)、禁煙を resolve する(迷いをほどいて決意する)、人を absolve する(罪からほどき放つ)。absolute は すべて からほどき放たれている → 無条件の、です。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
solutionひとつの単語に、一見無関係な2つの意味があります。どちらも「ばらばらにほどく」から来ています。数学でも日常でも、solution は問題の *もつれをほどくこと*(結び目がほどける → 解決、解答)です。化学では、固体が *ばらばらにほどけて* 液体全体に均一に広がったものが solution(溶液)で、塩水がその例です。ラテン語の solvere が、問題をほどくことも物質をほどくことも両方表していたので、英語にも両方が残っているのです。
ひとつの単語に、一見無関係な2つの意味があります。どちらも「ばらばらにほどく」から来ています。数学でも日常でも、solution は問題の *もつれをほどくこと*(結び目がほどける → 解決、解答)です。化学では、固体が *ばらばらにほどけて* 液体全体に均一に広がったものが solution(溶液)で、塩水がその例です。ラテン語の solvere が、問題をほどくことも物質をほどくことも両方表していたので、英語にも両方が残っているのです。
solution を見るresolvere-(再び)+ solvere(ほどく)=「もう一度ほどく」。面白いのは意味の分かれ方です。外に向かってもつれをほどくと、resolve a conflict(対立を解決する)になり、solve に近い意味です。*内に向かって* ほどく、つまり迷いをすべて取り払ってひとつの固い意志だけが残るようにすると、resolve to quit smoking(禁煙を決意する)になり、名詞の resolution(新年の抱負、国連の決議)が生まれます。同じ「ほどく」が、結び目を解き放つことにも、あなたを迷いから解き放つことにもなるのです。
re-(再び)+ solvere(ほどく)=「もう一度ほどく」。面白いのは意味の分かれ方です。外に向かってもつれをほどくと、resolve a conflict(対立を解決する)になり、solve に近い意味です。*内に向かって* ほどく、つまり迷いをすべて取り払ってひとつの固い意志だけが残るようにすると、resolve to quit smoking(禁煙を決意する)になり、名詞の resolution(新年の抱負、国連の決議)が生まれます。同じ「ほどく」が、結び目を解き放つことにも、あなたを迷いから解き放つことにもなるのです。
resolve を見るabsolute一族でいちばん大きな意味の飛躍です。ラテン語の absolūtus = ab-(〜から離れて)+ solūtum(ほどかれた)=「あらゆるものからほどき放たれた」、つまり何にもつながれず、何の条件にも左右されないということです。「すべてのつながりから自由」から「完全な、全くの、無条件の」が生まれました。だからこそ absolute は *相対的ではない* という意味になります。absolute power(絶対的な権力)は誰にも従わず、absolute zero(絶対零度)の下には何もありません。もとの「ほどく」は埋もれていますが、意味全体を説明してくれます。
一族でいちばん大きな意味の飛躍です。ラテン語の absolūtus = ab-(〜から離れて)+ solūtum(ほどかれた)=「あらゆるものからほどき放たれた」、つまり何にもつながれず、何の条件にも左右されないということです。「すべてのつながりから自由」から「完全な、全くの、無条件の」が生まれました。だからこそ absolute は *相対的ではない* という意味になります。absolute power(絶対的な権力)は誰にも従わず、absolute zero(絶対零度)の下には何もありません。もとの「ほどく」は埋もれていますが、意味全体を説明してくれます。
absolute を見るdissolvedis-(完全にばらばらに)+ solvere(ほどく)= 何かをすっかりばらばらにほどくこと。具体的には、固体が崩れて液体の中に消えていくこと(sugar dissolves:砂糖が溶ける)です。抽象的には、組織やきずなが崩れて存在しなくなること(Parliament was dissolved:議会が解散された、the marriage dissolved:結婚生活が破綻した)です。映画の編集でも使われ、ひとつの場面が次の場面へ dissolve(ディゾルブ、溶暗転換)します。いつも同じ考え、つまりまとまっていたものがばらばらになる、ということです。
dis-(完全にばらばらに)+ solvere(ほどく)= 何かをすっかりばらばらにほどくこと。具体的には、固体が崩れて液体の中に消えていくこと(sugar dissolves:砂糖が溶ける)です。抽象的には、組織やきずなが崩れて存在しなくなること(Parliament was dissolved:議会が解散された、the marriage dissolved:結婚生活が破綻した)です。映画の編集でも使われ、ひとつの場面が次の場面へ dissolve(ディゾルブ、溶暗転換)します。いつも同じ考え、つまりまとまっていたものがばらばらになる、ということです。
dissolve を見るsolventsolvent は、ひとつの比喩が2つの分野に同時にまたがる例です。化学では、溶質を *溶かす* 液体、つまり溶剤・溶媒です(水はほぼ万能の溶媒です)。金融では、solvent であるとは自分の借金を *溶かす*、つまり清算・返済できることで、insolvent はそれができない、すなわち破産状態を意味します。溶剤は物質を溶かし、solvent な人は借金を溶かす。同じラテン語 solvere の、同じ「ほどく」です。
solvent は、ひとつの比喩が2つの分野に同時にまたがる例です。化学では、溶質を *溶かす* 液体、つまり溶剤・溶媒です(水はほぼ万能の溶媒です)。金融では、solvent であるとは自分の借金を *溶かす*、つまり清算・返済できることで、insolvent はそれができない、すなわち破産状態を意味します。溶剤は物質を溶かし、solvent な人は借金を溶かす。同じラテン語 solvere の、同じ「ほどく」です。
solvent を見る関連する語根
solv(solvere「ほどく、溶かす」)と lav(lavare「洗う」)は無関係に見えますが、化学の語彙でぶつかります。dilute(薄める)は dis- + luere(「洗う」を意味する lavare の親戚)から来ていて、solvere から来たのではありません。それでも学習者は意味から dilute を dissolve / solution と同じグループに入れがちです。見分け方:固体を液体に完全に溶け込ませるのが dissolve(solv)、液体を足して溶液を弱めるだけなのが dilute(lav の仲間)です。
junct / join(jungere「結ぶ、つなぎ合わせる」)は、solv(ゆるめる、ほどく)と正反対の動きです。junction(接合点)がつなぎ合わせるのに対して、solution や dissolution はほどいてばらばらにします。つなぐか、解き放つか、です。
関連する単語 · 42
absolutely
完全に、絶対に;(返事で)もちろん
solution
解決策、解答;溶液
solve
解く、解決する
resolution
決議;決意、決心;解決
resolve
解決する;決心する;決意
absolute
絶対的な、完全な
dissolve
溶ける、溶かす;解散する
unresolved
未解決の、未決定の
solvent
溶剤、溶媒;支払い能力のある
dissolution
解散、解消;溶解
unsolved
未解決の
resolute
断固とした、決意の固い
resolutely
断固として、きっぱりと
absolve
(責任・罪から)解放する、免除する
soluble
溶ける、可溶性の;解決できる
solver
解く人;ソルバー(求解プログラム)
insolvent
支払不能の、破産した
absolutist
絶対主義者;絶対主義の
insoluble
溶けない;解決できない
absolution
(罪の)赦し、赦免
insolvency
支払不能、破産
absolutism
絶対主義、専制政治
dissolute
ふしだらな、放蕩な
solvable
解決できる、解ける