vis
ラテン語 Latin見る
この語根について
語根 vis は、ラテン語の vidēre「見る」から来ています。ラテン語の動詞には二つの語幹があり、vidēre も見た目はかなり違うのに意味は同じ、二つの系統に分かれました。
現在語幹 からは vid- が生まれます。ラテン語の video は文字どおり「私は見る」という意味でした。だからこそ、私たちが見る動く映像が video なのです。ē-(外へ)+ vidēre からは ēvidēns「外に見えている、はっきり見える」ができ、これが evident(明らかな)や evidence(証拠)になりました。目に見えるほどはっきりした事実のことです。また pro-(前へ)+ vidēre からは prōvidēre「先を見る」ができました。将来を見通して、それに備えることです。この一つのイメージから語のグループがまるごと広がります。provide(先を見て用意する=供給する)、provision(将来のために蓄えておいたもの)、provisional(「当面の」仮の取り決め)、さらには provided that(条件を「先に見越す」節=〜という条件で)まで。
過去分詞語幹 vīsum からは vis- が生まれます。こちらが一族の主力です。
- vision ― 見る行為や視力。のちに、心の中で見るもの(構想、幻)
- visible / invisible ― 見える/見えない
- visual / visualize ― 視覚の/心の中に思い描く
- visit ― vīsitāre「繰り返し会いに行く、見に行く」から
- vista ― イタリア語で「眺め」。並木道の奥まで見通す、遠くへ伸びる眺めのこと
- visa ― ラテン語 carta vīsa「見られた(そして確認済みとして押印された)書類」の略
そして接頭辞が「見る」方向を決めます。super-(上に)+ vidēre → supervise:人の仕事を上から見下ろす=監督する。re-(再び)+ vīsum → revise:もう一度見て直す=改訂する。ad-(〜の方へ)+ vīsum → advise:ある事柄の方へ目を向け、よく考えた意見を述べる=助言する。in-(中に、〜に向けて)+ vīsum → envisage / envision:心の目で何かを見る=思い描く。
最後に、同じラテン語の動詞がフランス語を経るうちに vis- がやわらいで view(見えるもの、眺め)になりました。ここでも接頭辞はラテン語側と同じ働きをします。re- + view = review(もう一度見る、評価する)、inter- + view = interview(二者が互いに向き合って質問する)、pre- + view = preview(前もって見る)、over- + view = overview(上から見渡す=概観)。survey の語尾 -vey は sur-(上から)+ vidēre で、全体を見渡すことです。
わかってしまえば規則は単純です。表面の形が vid、vis、view、-vey のどれであっても、いつも目――実際の目か心の目か――に関わっています。接頭辞は どこから、あるいは どの方向へ 見ているかを示し、語根そのものはただ 見る という意味です。
visit という語を思い浮かべてください。誰かに 会いに(見に)行くことです。あるいは video、ラテン語で「私は見る」。vis / vid / view / -vey を見かけたら、必ず目が関わっています。visible なものは見ることができ、vision は心の中で見るもの、re-view はもう一度見ること、super-vise は上から見ることです。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
providevis の仲間の中でいちばん気づきにくい語です。つづりは vid で、表面上は目と何の関係もないからです。ラテン語 pro-(前へ)+ vidēre(見る)= prōvidēre「先を見る」。よい provider(供給者、養い手)とは、将来を見通して必要になるものを予見し、蓄えておく人のことです。この先見の考え方があるからこそ、provision は将来のための蓄え、provisional は「見通しが立つまでの当面の」、provided that は先に見越した条件を導く表現になります。同じ語根からは、二重語の purvey(調達する)や、prudent(思慮深い、prōvidēns「先を見通している」の縮約形)も生まれました。
vis の仲間の中でいちばん気づきにくい語です。つづりは vid で、表面上は目と何の関係もないからです。ラテン語 pro-(前へ)+ vidēre(見る)= prōvidēre「先を見る」。よい provider(供給者、養い手)とは、将来を見通して必要になるものを予見し、蓄えておく人のことです。この先見の考え方があるからこそ、provision は将来のための蓄え、provisional は「見通しが立つまでの当面の」、provided that は先に見越した条件を導く表現になります。同じ語根からは、二重語の purvey(調達する)や、prudent(思慮深い、prōvidēns「先を見通している」の縮約形)も生まれました。
provide を見るsupervisesuper-(上に)+ vīsum(見られた)=「上から見下ろす」。supervisor とは文字どおり、あなたの仕事の上に立ち、高い位置から見守っている人です。今では「上」は物理的な位置ではなく上下関係を表しますが、このイメージを知っていれば、supervision がただ見ているだけでなく権限と監督を含む理由がわかります。見られる対象より上の立場から見ているのです。
super-(上に)+ vīsum(見られた)=「上から見下ろす」。supervisor とは文字どおり、あなたの仕事の上に立ち、高い位置から見守っている人です。今では「上」は物理的な位置ではなく上下関係を表しますが、このイメージを知っていれば、supervision がただ見ているだけでなく権限と監督を含む理由がわかります。見られる対象より上の立場から見ているのです。
supervise を見るadvisead-(〜の方へ)+ vīsum(見られた)は、「私にはこう見える」という言い回し(ad visum)にさかのぼります。advise とは、相手の状況の方へ目を向け、それが自分にはどう見えるか、自分ならどうするかを伝えることです。英語に残るつづりと発音のペアに注意しましょう。advise(動詞、/z/ の音)と advice(名詞、/s/ の音)。同じ語根で語尾だけが違い、devise / device と同じパターンです。
ad-(〜の方へ)+ vīsum(見られた)は、「私にはこう見える」という言い回し(ad visum)にさかのぼります。advise とは、相手の状況の方へ目を向け、それが自分にはどう見えるか、自分ならどうするかを伝えることです。英語に残るつづりと発音のペアに注意しましょう。advise(動詞、/z/ の音)と advice(名詞、/s/ の音)。同じ語根で語尾だけが違い、devise / device と同じパターンです。
advise を見るvistaイタリア語からそのまま借りた語で、イタリア語の vista は「視界、眺め」を意味します。典型的な使い方は、枠にはめたように遠くまで見通す眺め、たとえば並木道が遠くの一点へ視線を導くような景色です。この物理的な「遠くへの眺め」から、英語は比喩的な意味も取り入れました。new vistas of opportunity(新たな機会の展望)とは、目の前に突然開けて見えてくる将来の見通しのことです。
イタリア語からそのまま借りた語で、イタリア語の vista は「視界、眺め」を意味します。典型的な使い方は、枠にはめたように遠くまで見通す眺め、たとえば並木道が遠くの一点へ視線を導くような景色です。この物理的な「遠くへの眺め」から、英語は比喩的な意味も取り入れました。new vistas of opportunity(新たな機会の展望)とは、目の前に突然開けて見えてくる将来の見通しのことです。
vista を見る関連する語根
spec/spect(ラテン語 specere から)も「見る」という意味で、vis と大きく重なります。inspect と view、prospect と preview、respect と revise などです。おおまかな区別として、spect の語は能動的な精査や判断に傾きやすく(inspect 検査する、suspect 疑う、respect 尊敬する)、vis の語は見ることそのものや視覚という能力に傾きます(vision 視力、visible 見える、visit 訪問する)。どちらもラテン語なので、境界ははっきりしません。
ギリシャ語の skopein「見る、調べる」は、ラテン語 vidēre のギリシャ語版にあたります。器具や視野を表す語に現れます。microscope(顕微鏡)、telescope(望遠鏡)、periscope(潜望鏡)、scope(範囲)。見分けのコツは、装置や科学的な「見ること」にはギリシャ語の -scope、日常的に見ることにはラテン語の vis / view が使われやすい、という点です。
ギリシャ語の optos / ops「視覚、目」は、見ることを表す第三の大きな語根です。optic(目の)、optical(光学の)、optometry(検眼)、autopsy(「自分の目で見ること」=検死)。ギリシャ語の opt は目の物理や生物学を、ラテン語の vis は見るという体験や行為を担っています。
関連する単語 · 107
provide
提供する、供給する
view
眺め、景色;見解;見る、みなす
evidence
証拠
television
テレビ
visit
訪問する、訪れる;訪問
interview
面接、インタビュー;面接する
video
動画、ビデオ;録画する
vision
視力;幻、想像;展望、ビジョン
survey
調査;測量;見渡す、調べる
review
批評、レビュー;再検討;見直す、復習する
advice
助言、忠告
visitor
訪問者、来客;観光客
visual
視覚の;映像、画像
visible
目に見える;明らかな
viewer
視聴者、見る人
advise
助言する、忠告する;通知する
provision
供給;蓄え、食糧;条項
adviser
顧問、助言者
evident
明らかな
supervisor
監督者、上司
invisible
目に見えない
envision
思い描く、想像する
advisory
助言の、顧問の;(公式の)注意報
visa
ビザ、査証