miss
ラテン語 Latin送る、放つ
この語根について
語根 miss / mit は、ラテン語の mittere「送る、放つ、手放す」から来ています。ローマの指揮官が命令を下す場面を思い浮かべてください。伝令が送り出され、矢が放たれ、兵士たちが派遣されていきます。この「送り出す」というひとつの動作が、英語でも特に多くの単語を生み出した語族の出発点になっています。
ラテン語の動詞には語幹が2つあり、mittere はその両方を英語に残しました。現在語幹の mitt- は動詞の中に生きています。e-mit、sub-mit、trans-mit、per-mit、com-mit、ad-mit、o-mit、re-mit がそうです。一方、過去分詞の語幹 miss-(missus「送られた」から)は、名詞やいくつかの特別な単語に残っています。mis-sion、e-mission、sub-mission、trans-mission、mis-sile、mis-sive などです。そのため、-mit で終わる動詞にはたいてい -mission の名詞がペアで存在します。submit → submission、transmit → transmission、emit → emission という具合です。このペアに気づくだけで、何十もの単語が一気に整理できます。
この語根の本当の力は接頭辞にあります。接頭辞がそれぞれ「どの方向へ送るのか」を決めているのです。
- e-(外へ)+ mit → emit:外へ送る →(光・熱・ガスを)放出する
- trans-(向こうへ)+ mit → transmit:向こう側へ送る → 伝える、送信する
- ad-(〜へ)+ mit → admit:こちらへ送り入れる → 入れる、認める。比喩的には「事実を心に入れる」→ 白状する
- per-(通して)+ mit → permit:通り抜けさせる → 許可する
- sub-(下に)+ mit → submit:自分を相手の力の下に送る → 服従する。または書類を審査に差し出す → 提出する
- re-(元へ)+ mit → remit:送り返す → 送金する(remittance)、または罰を遠くへやる → 借金や罪を免除する
- o-(ob- がすり減った形で「離れて」)+ mit → omit:遠くへやる → 省く
- dis-(離れて)+ miss → dismiss:ばらばらに送る → 退ける、解散させる、解雇する
- com-(共に)+ mit → commit:一緒に送る・置く → ゆだねる。そこから、ある行為に自分を完全に引き渡す(commit a crime 罪を犯す)、約束に身をゆだねる(commit to a plan 計画に全力を注ぐ)という意味になりました
「送る」から遠く離れた意味になったメンバーもいくつかあるので、注意しておきましょう。mission はもともと「送り出されること」(宗教的・軍事的な派遣)を指し、そこから「送り出されて果たすべき目的」、つまり「使命」へと変わりました。missile は文字どおり「投げる・送り出すのに適したもの」です。message はラテン語の missaticum と古フランス語を経て「送られたもの」、つまり伝言や通信の意味になりました。さらに pro-mit の系統(pro- は「前へ」)からは、promise(誓いとして「前へ送り出されたもの」→ 約束)や compromise(双方が約束を差し出し合い、真ん中で歩み寄ること → 妥協)が生まれています。
まとめると、単語の中に mit や miss が見えたら、何かが「送られている」か「放たれている」と考えてください。あとは接頭辞を見つければ、たいていその方向がわかります。
ミサイル(missile)が発射される場面を思い浮かべましょう。文字どおり「飛ばして送り出されるもの」です。mit / miss の単語はどれも何かをどこかへ送る話で、emit は外へ、transmit は向こうへ、submit は下へ、dismiss は遠くへ送ります。接頭辞が方向を示し、mit / miss はいつでも「送る」です。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
commitcom-(共に)+ mittere(送る)で「一緒に送る・置く → ゆだねる」。この語族の中で最も大きく意味が広がった単語です。「何かを誰かにゆだねる」から2つの方向に分かれました。ひとつは行為を世の中に送り出すこと、つまり commit a crime(罪を犯す)、commit an error(誤りを犯す)です。もうひとつは自分自身をある方向へ引き渡すことで、commit to a relationship(関係に真剣に向き合う)、a committed activist(献身的な活動家)のように使います。どちらも「何かを完全に引き渡して、もう取り戻さない」という同じイメージを共有しています。
com-(共に)+ mittere(送る)で「一緒に送る・置く → ゆだねる」。この語族の中で最も大きく意味が広がった単語です。「何かを誰かにゆだねる」から2つの方向に分かれました。ひとつは行為を世の中に送り出すこと、つまり commit a crime(罪を犯す)、commit an error(誤りを犯す)です。もうひとつは自分自身をある方向へ引き渡すことで、commit to a relationship(関係に真剣に向き合う)、a committed activist(献身的な活動家)のように使います。どちらも「何かを完全に引き渡して、もう取り戻さない」という同じイメージを共有しています。
commit を見るmissionmissus「送られた」から来ています。もとは「人を送り出すこと」で、信仰を広めるために人を派遣する宗教的な mission や、任務のために部隊を送る軍事的な mission を指していました。その後、意味の中心が「送ること」から「目的」へと移りました。今では mission は送り出されて達成すべき目標、つまり「使命、任務」を意味し、自分で決めた目標にも使います(a personal mission 個人的な使命、a mission statement 企業理念)。
missus「送られた」から来ています。もとは「人を送り出すこと」で、信仰を広めるために人を派遣する宗教的な mission や、任務のために部隊を送る軍事的な mission を指していました。その後、意味の中心が「送ること」から「目的」へと移りました。今では mission は送り出されて達成すべき目標、つまり「使命、任務」を意味し、自分で決めた目標にも使います(a personal mission 個人的な使命、a mission statement 企業理念)。
mission を見るcompromisecom-(共に)+ pro-(前へ)+ missus(送られた)で「互いに約束を前へ差し出すこと」。もともとは、争っている両者が「仲裁人の判断に従います」という共同の誓約を差し出すことを指していました。そこから compromise は、お互いに何かを譲って真ん中で歩み寄る「妥協」の意味になりました。compromise security(安全性を損なう)のような現代のネガティブな意味は、「譲ることで弱めたり危険にさらしたりする」という発想から来ています。
com-(共に)+ pro-(前へ)+ missus(送られた)で「互いに約束を前へ差し出すこと」。もともとは、争っている両者が「仲裁人の判断に従います」という共同の誓約を差し出すことを指していました。そこから compromise は、お互いに何かを譲って真ん中で歩み寄る「妥協」の意味になりました。compromise security(安全性を損なう)のような現代のネガティブな意味は、「譲ることで弱めたり危険にさらしたりする」という発想から来ています。
compromise を見るmissilemissus から派生したラテン語 missilis「投げられるもの、送り出せるもの」が語源です。もとは武器として投げつけられるものなら何でも指し、石や槍も含みました(the crowd threw missiles 群衆が物を投げつけた)。近代戦の登場とともに、意味は自力で飛ぶ誘導兵器、つまり「ミサイル」に絞られました。語根の意味がそのまま残っていて、missile は文字どおり「飛ばして送り出されるもの」です。
missus から派生したラテン語 missilis「投げられるもの、送り出せるもの」が語源です。もとは武器として投げつけられるものなら何でも指し、石や槍も含みました(the crowd threw missiles 群衆が物を投げつけた)。近代戦の登場とともに、意味は自力で飛ぶ誘導兵器、つまり「ミサイル」に絞られました。語根の意味がそのまま残っていて、missile は文字どおり「飛ばして送り出されるもの」です。
missile を見るsubmitsub-(下に)+ mittere(送る)で「自分を下に送る」。現代の2つの意味はどちらもここから出ています。ひとつは「従う」で、他人の権威の下に自分を置くことです(submit to the rules 規則に従う)。もうひとつは「提出する」で、書類を誰かの審査のもとへ差し出すことです(submit an application 申請書を提出する)。同じイメージで、方向が2つあります。自分を下に置くか、自分の作品を上へ差し出すかです。
sub-(下に)+ mittere(送る)で「自分を下に送る」。現代の2つの意味はどちらもここから出ています。ひとつは「従う」で、他人の権威の下に自分を置くことです(submit to the rules 規則に従う)。もうひとつは「提出する」で、書類を誰かの審査のもとへ差し出すことです(submit an application 申請書を提出する)。同じイメージで、方向が2つあります。自分を下に置くか、自分の作品を上へ差し出すかです。
submit を見る関連する語根
どちらも「運ぶ、持ってくる」と訳せることがありますが、mittere は何かを自分から離して送り出す・手放すことを表し(emit、transmit、dismiss)、fer(ferre から)は自分と一緒に持って運ぶことを表します(transfer、refer、offer)。見分け方は簡単です。手放すなら mit / miss、持って運ぶなら fer です。
port(portāre)は品物を場所から場所へ物理的に運ぶことです。一方 mittere は送る・派遣することで、対象は信号・メッセージ・許可のような抽象的なものや、空気中に放たれるもの(emissions 排出物)であることが多いです。トラックが運ぶのが port、送り手が送り出すのが mit と覚えましょう。
関連する単語 · 88
message
伝言、メッセージ;メッセージを送る
admit
認める;入ることを許す
mission
任務、使命;使節団;布教
commit
(罪を)犯す;約束する、打ち込む;委ねる
committee
委員会
promise
約束;約束する
commitment
約束、公約;献身、関与
permit
許可する;許可証
missile
ミサイル;飛び道具
commission
委任、権限;手数料;委員会;依頼する
dismiss
解雇する;解散させる;退ける
emission
排出、放出
admission
入場許可、入学;入場料;自白、承認
submit
提出する;服従する
permission
許可
transmission
伝達、送信;感染;変速機
compromise
妥協、譲歩;妥協する;危うくする
commissioner
委員、長官
premise
前提;(premises)敷地、建物
transmit
送信する;伝える;伝染させる
missionary
宣教師;布教の
omit
省く、省略する;抜かす
emit
(光・熱・音・ガスを)放つ、排出する
committed
献身的な、熱心な;確固たる