ori
ラテン語 Latin昇る、始まる、生まれる
この語根について
語根 ori は、ラテン語の orīrī「昇る、現れる、生まれる」から来ています。いちばん鮮やかなイメージは太陽です。太陽は毎朝、地平線から 昇って きます。ローマ人はこの光景をそのまま一つの単語にしました。太陽が昇る方角は東で、ラテン語では oriens、文字どおり「昇っている(側)」です。この一つのイメージが、二つの大きな家族に分かれていきます。
「昇る太陽=東」の系統。 Oriens から英語の orient が生まれました。もともとは東、つまり「東洋(the Orient)」のことです。そこから oriental(東洋の)や、名詞の orientation が出てきます。ところが動詞の orient は、おもしろい方向に展開しました。中世の地図職人や教会を建てる人々は、地図や祭壇を東 ― エルサレムの方角、昇る太陽の方角 ― に向けていました。「to orient」は文字どおり「何かを東に合わせる」という意味だったのです。やがて「東」という要素が抜け落ち、決まった基準に向きを合わせる という発想だけが残りました。今日、自分を orient するというのは、自分がどちらを向いているかを確かめることです。dis- で打ち消せば disorient(方向感覚を失わせる)、re- でもう一度行えば reorient(新しい方向に向け直す)になります。非常によく使われる接尾辞 -oriented もここから来ています。customer-oriented(顧客志向の)、results-oriented(成果重視の)、export-oriented(輸出志向の)は、どれも何かの目標に「向いている、向かっている」という意味で、まさに東に向けた地図と同じです。日本語の「オリエンテーション」も、新しい環境で自分の向きを確かめる場だと考えるとわかりやすいでしょう。
「生まれる=始まり」の系統。 Orīrī には「生まれる、湧き出る」という意味もあり、その名詞 orīgō は「始まり、源」を意味しました。ここから origin(何かが始まった場所・起源)、original(コピーが作られる前の最初のもの)、originate(源から始まる)、originality(人まねでなく自分自身の源から湧き出ていること、独創性)が生まれます。Aboriginal はこの発想をぎゅっと凝縮した単語です。ab-(〜から)+ orīgine(始まり)で「まさに始まりからそこにいる」、つまり先住の人々を指します。
意外な仲間:abort。 ラテン語の aborīrī は ab-(離れて、外れて)+ orīrī(昇る・生まれる)で、「生まれそこなう、流産する」という意味です。存在へと 昇る ことができなかったものが aborted だったわけです。文字どおりの意味(早く終わってしまった妊娠)から一般化して、任務やプロセスを abort するといえば、それが本格的に動き出す前に中止することを指すようになりました。Abortive も同じ論理で、an abortive attempt とは、結局軌道に乗らなかった試みのことです。
家族全体が一つのイメージにかかっています。何かが存在へと 昇ってくる ことです。それが昇る場所が orient、そもそも昇ったということが origin、昇れなかったとき、それは aborted です。
日の出を思い浮かべてください。太陽は東から 昇ります ― それが orient(東、そして「決まった点に向きを合わせる」)です。太陽が そもそも昇った ことが origin(始まり)。そして 昇れなかった ものは abort(中止)されます。ori- の単語はどれも「存在へと昇ってくること」の話です。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
orientこの家族でいちばん意外な意味の変化です。orient はまず東(太陽が昇る方角)を意味しました。中世の教会や地図は東向きに作られていたので、to orient は文字どおり「東に合わせる」ことでした。やがて方角としての東は薄れ、決まった基準に向きを合わせるという行為だけが残りました。だから今日 orient yourself といえば、自分がどちらを向いているかを確かめること ― 東は関係ありません。
この家族でいちばん意外な意味の変化です。orient はまず東(太陽が昇る方角)を意味しました。中世の教会や地図は東向きに作られていたので、to orient は文字どおり「東に合わせる」ことでした。やがて方角としての東は薄れ、決まった基準に向きを合わせるという行為だけが残りました。だから今日 orient yourself といえば、自分がどちらを向いているかを確かめること ― 東は関係ありません。
orient を見るoriginラテン語の orīgō「始まり、源」から来ていて、その元は orīrī「昇る・生まれる」です。イメージは、出発点から何かが湧き上がってくる様子です。出来事の始まり(the origin of the universe「宇宙の起源」)にも、人の出身(country of origin「原産国・出身国」)にも使えます。どちらも「これはどこから湧き上がってきたのか」という問いへの答えです。
ラテン語の orīgō「始まり、源」から来ていて、その元は orīrī「昇る・生まれる」です。イメージは、出発点から何かが湧き上がってくる様子です。出来事の始まり(the origin of the universe「宇宙の起源」)にも、人の出身(country of origin「原産国・出身国」)にも使えます。どちらも「これはどこから湧き上がってきたのか」という問いへの答えです。
origin を見るabortab-(離れて、外れて)+ orīrī(昇る・生まれる)で「存在へと昇りそこなう」ことです。文字どおりには出産まで至らなかった妊娠のことですが、その論理が一般化しました。abort a mission(任務を中止する)、abort a launch(打ち上げを中止する)、abort a process(処理を中断する)― どれも本格的に動き出す前に止めることです。否定の意味は un- のような接頭辞ではなく、ab- +「生まれる」という組み合わせそのものに埋め込まれています。
ab-(離れて、外れて)+ orīrī(昇る・生まれる)で「存在へと昇りそこなう」ことです。文字どおりには出産まで至らなかった妊娠のことですが、その論理が一般化しました。abort a mission(任務を中止する)、abort a launch(打ち上げを中止する)、abort a process(処理を中断する)― どれも本格的に動き出す前に止めることです。否定の意味は un- のような接頭辞ではなく、ab- +「生まれる」という組み合わせそのものに埋め込まれています。
abort を見るorientedorient(向きを合わせる、〜に向ける)から、-oriented は英語で最も生産性の高い形容詞用の接尾辞の一つになりました。customer-oriented(顧客志向の)、results-oriented(成果重視の)、export-oriented(輸出志向の)。どれも、その対象を指針として「そちらを向いている」という意味で、東に向けた地図とまったく同じです。X-oriented =「すべてが X の方向を向いている」と覚えましょう。
orient(向きを合わせる、〜に向ける)から、-oriented は英語で最も生産性の高い形容詞用の接尾辞の一つになりました。customer-oriented(顧客志向の)、results-oriented(成果重視の)、export-oriented(輸出志向の)。どれも、その対象を指針として「そちらを向いている」という意味で、東に向けた地図とまったく同じです。X-oriented =「すべてが X の方向を向いている」と覚えましょう。
oriented を見る関連する語根
どちらも「生まれる・始まる」に関わります。nat(nāscī「生まれる」から)は native、nature、nation を生みます。ori(orīrī から)は origin や aboriginal で nat と重なりますが、さらに「昇る」(orient、東)にまで広がります。見分け方:誕生や生まれつきの性質なら nat、昇ること・源・方向なら ori です。
gen(genus / gignere「誕生、種類、生み出す」から。generate、genesis)と ori は、どちらも「ものごとが始まるところ」を表します。gen は、ある種類のものを生み出すこと・生じさせることに重心があり、ori は源となる地点や、昇ることそのものに重心があります。
関連する単語 · 38
original
最初の;独創的な;原物、原作
abortion
妊娠中絶;(計画の)失敗
origin
起源、始まり;生まれ、家柄
originally
もともと、最初は
orientation
向き、方向;オリエンテーション;志向
originate
始まる、起こる;創始する、生み出す
orient
向ける、適応させる;東洋
oriental
東洋の、アジアの
aboriginal
先住民の、土着の;先住民
originality
独創性、創造力
abort
流産する、中絶する;(計画を)中止する
abortive
失敗に終わった、不成功の
disorient
方向感覚を失わせる、混乱させる
unoriginal
独創性のない、ありきたりな
originative
独創的な、創造力のある
reorient
方向を変える、方針を転換する
oriented
〜志向の、〜向けの;方向づけられた
action-oriented
行動重視の、実践的な
anti-abortion
妊娠中絶反対の
child-oriented
子ども向けの、子ども中心の
consumer-oriented
消費者志向の
content-oriented
内容重視の
export-oriented
輸出志向の
family-oriented
家族を大切にする、家族向けの