par
ラテン語 Latin準備する、等しい、現れる
この語根について
語根 par は英語の中でも特にやっかいな語根の一つです。というのも、三つの別々のラテン語が、同じ三文字に流れ込んでしまったからです。意味の上ではお互いに何の関係もないので、三つの別々の物語として頭に入れておく必要があります。
系統1 ― parāre「準備を整える、用意する」。 これは「行動」の系統です。ローマの料理人や兵士が、必要になる前に ものを所定の位置にそろえておく 姿を想像してください。接頭辞がつくと、整った家族ができあがります。
- pre-(前もって)+ parāre → prepare:前もって準備する。preparation はその行為(準備)です。
- re-(再び)+ parāre → repair:再び 使える状態に整える、つまり壊れたものを直すことです。名詞の repairs、形容詞の repairable / reparable、そして irreparable(二度と元に戻せない)もここに入ります。
- 同じ re- の組み合わせは、もっと抽象的なもう一つの道にも進みました。それが reparation で、悪いことをしたあとで「ものごとを再び正しい状態に戻す」こと、つまり償い・補償、そして戦争の賠償金を表します。
- se-(離れて)+ parāre → separate:文字どおり「離して準備する」、ものをそれぞれの場所に置くこと ― だから「分ける」です。separation はその名詞です。
- apparatus は「準備されたもの」、つまりある目的のために用意された装置・器具です。apparel(これも ad- + parāre から)は身につける「装備」、つまり衣服のことです。そして pare は「刈り込んで整える」という素朴な動詞で、皮をむく、削り落とすという意味です。
系統2 ― pār「等しい、同じ高さの」。 これは「平等」の系統です。pār は単純に、二つのものが同じ重さであることを意味しました。
- par そのものは on a par with(〜と同等で)や、ゴルフの「パー」に残っています。parity は等しい状態、disparity(dis- =離れて)は不均衡、disparate は比べようもないほど違っていることを意味します。
- com-(共に)+ pār → compare:二つのものを対等なものとして並べ、判断すること。ここから下位の家族がずらりと続きます ― comparison、comparable、comparative、comparatively、comparability、comparably、incomparable、incomparably。
- pār はフランス語を経由して peer としても英語に入りました。「対等な人」という意味で、そこから貴族の一員と、同年代の仲間(peer-group)の両方を指します。peerless は「並ぶ者のない」です。nonpareil(フランス語 non pareil「等しくない」)は「比類のない」という意味です。several もここに属し、ラテン語の separ「それぞれ別の、分かれた」から来ています。それが「いくつかの」という漠然とした意味へと移っていきました。
系統3 ― parere「産み出す、生む」と parēre「現れる」。 この系統は、生み出すこと と 目に見えるようになること を扱います。
- parent は子どもを「産み出す人」、つまり親です。
- viviparous(vivi- =生きている)は、生きた 子を産む、つまり胎生の、という意味です。
- 「現れる」の意味からは、ap-(〜の方へ)+ parēre → apparent「視界に入ってくる、はっきり見える」、trans-(通して)+ parēre → transparent「透けて見える」が生まれます。
以前この家族にいた二つの単語についての注意。 impair はこの語根から来たものでは ありません(ラテン語の pejor「より悪い」から)。parallel もラテン語の par ではなく、ギリシャ語の para- + allēlos です。どちらもこの家族から外されています。
par は三種類、つづりは一つ。(1) parāre =準備する:pre-PARE(前もって準備)、re-PAIR(再び使えるように = 修理)、SE-Parate(離して準備 = 分ける)。(2) pār =等しい:comPARE、PEER、PARity。(3) 産む・現れる:PARent、apPARent、transPARent。「準備? 等しい? 現れる?」と自問すれば、どの par かがわかります。
代表的な単語を詳しく
同じ語根を持つ単語の中から、特に語る価値のある数語を選び、その成り立ちを一つずつひもときます。
repairparāre の系統がよく見える単語です。re-(再び)+ parāre(準備を整える)で「再び使える状態に整える」― 壊れたものを元どおり動くようにすることです。同じ部品から reparation も生まれましたが、こちらは道徳の道に進みました(悪いことのあとで「再び正しくする」=償い・補償)。一方 repair は物理的な意味にとどまりました。つまり、一つのラテン語の組み立てが、修理工場と法廷に分かれていったのです。
parāre の系統がよく見える単語です。re-(再び)+ parāre(準備を整える)で「再び使える状態に整える」― 壊れたものを元どおり動くようにすることです。同じ部品から reparation も生まれましたが、こちらは道徳の道に進みました(悪いことのあとで「再び正しくする」=償い・補償)。一方 repair は物理的な意味にとどまりました。つまり、一つのラテン語の組み立てが、修理工場と法廷に分かれていったのです。
repair を見るseparatese-(離れて)+ parāre(準備を整える、所定の位置に置く)で「離して置く、ものをそれぞれの場所に置く」ことです。もともとのイメージは、ものを乱暴に引き裂くことではなく、別々の場所へきちんと *並べ分ける* ことでした。興味深いことに、several も同じラテン語 separ(「それぞれ別の」)から来ています。別々に分けておかれたものが「いくつかの個々のもの」になり、それが薄れて漠然とした「いくつかの」になったのです。
se-(離れて)+ parāre(準備を整える、所定の位置に置く)で「離して置く、ものをそれぞれの場所に置く」ことです。もともとのイメージは、ものを乱暴に引き裂くことではなく、別々の場所へきちんと *並べ分ける* ことでした。興味深いことに、several も同じラテン語 separ(「それぞれ別の」)から来ています。別々に分けておかれたものが「いくつかの個々のもの」になり、それが薄れて漠然とした「いくつかの」になったのです。
separate を見るcomparepār(等しい)系統の代表格です。com-(共に)+ pār(等しい)で「二つのものを対等なものとして並べる」ことで、そうすることで互いを比べられるようにします。前置詞に注意しましょう。compare *to* は似ている点を強調し(he compared her smile to sunshine「彼は彼女の笑顔を太陽の光にたとえた」)、compare *with* は二つを並べて違いを見つけます。打ち消すと incomparable になります ― 同等のものをはるかに超えていて、比べることすらできない、という意味です。
pār(等しい)系統の代表格です。com-(共に)+ pār(等しい)で「二つのものを対等なものとして並べる」ことで、そうすることで互いを比べられるようにします。前置詞に注意しましょう。compare *to* は似ている点を強調し(he compared her smile to sunshine「彼は彼女の笑顔を太陽の光にたとえた」)、compare *with* は二つを並べて違いを見つけます。打ち消すと incomparable になります ― 同等のものをはるかに超えていて、比べることすらできない、という意味です。
compare を見るpeerpār から古フランス語を経て入ってきた単語で、「対等な人」を意味します。この一つの発想が二方向に広がります。社会的には、あなたの peers は同じ年齢や立場の人々です(peer-group、peer pressure「同調圧力」、peer review「同僚評価・査読」)。歴史的には、イギリスで peer といえば貴族の一員、つまり貴族同士の中で対等な者を指します。(見た目がそっくりな動詞 peer「じっと見る」は、まったく別の無関係な単語です。)そこから peerless は「並ぶ者のない」という意味になります。
pār から古フランス語を経て入ってきた単語で、「対等な人」を意味します。この一つの発想が二方向に広がります。社会的には、あなたの peers は同じ年齢や立場の人々です(peer-group、peer pressure「同調圧力」、peer review「同僚評価・査読」)。歴史的には、イギリスで peer といえば貴族の一員、つまり貴族同士の中で対等な者を指します。(見た目がそっくりな動詞 peer「じっと見る」は、まったく別の無関係な単語です。)そこから peerless は「並ぶ者のない」という意味になります。
peer を見るapparent第三の、まったく別の系統に属します。parēre「現れる」から来ていて、「準備する」とも「等しい」とも関係ありません。ap-(〜の方へ)+ parēre(現れる)で「視界に入ってくる」です。そこから、二つの方向に分かれる意味が生まれます。「はっきり見える、明らかな」(the apparent cause「明らかな原因」)と、「そう見えるが、本当かどうかはわからない」(her apparent calm「彼女の一見落ち着いた様子」)です。兄弟分の transparent(trans- =通して)は「透けて見える」、そして同じ系統に並べられる parent は parere「産み出す」から来ています。
第三の、まったく別の系統に属します。parēre「現れる」から来ていて、「準備する」とも「等しい」とも関係ありません。ap-(〜の方へ)+ parēre(現れる)で「視界に入ってくる」です。そこから、二つの方向に分かれる意味が生まれます。「はっきり見える、明らかな」(the apparent cause「明らかな原因」)と、「そう見えるが、本当かどうかはわからない」(her apparent calm「彼女の一見落ち着いた様子」)です。兄弟分の transparent(trans- =通して)は「透けて見える」、そして同じ系統に並べられる parent は parere「産み出す」から来ています。
apparent を見る関連する語根
どちらも「等しい」に関わりますが、par の中でそうなのは pār の系統だけです。pār(compare、peer、parity、disparity)は「等しい、同じ高さの」という意味で、ものを並べて組み合わせたり順位をつけたりすることが中心です。equ(aequus から。equal、equation、equity)は「平らな、均等な」から出発して、公平さや心の平静にまで広がります。見分け方:ものを組にしたり比べたりするなら par、価値の同一性・公平さ・平静な心なら equ です。
落とし穴は par の内部にあります。par には、つづりを共有する三つの無関係なラテン語の源があるのです。parāre =準備する(prepare、repair、separate、apparatus)。pār =等しい(compare、peer、parity)。産む・現れる(parent、apparent、transparent)。par- を見たら、つながりがあると思い込む前に、三つの意味のどれが当てはまるかを判断しましょう。
関連する単語 · 36
several
いくつかの、数個の
parent
親;親として育てる
prepare
準備する、用意する
compare
比較する;たとえる;匹敵する
pair
一対、一組;ペアにする
separate
分ける、引き離す;別々の、離れた
comparison
比較、対照
peer
じっと見る;同輩、仲間;貴族
apparent
明らかな;見かけ上の
preparation
準備、用意
separation
分離、別離;別居
repair
修理する、修繕する;修理
parade
パレード、行進;行進する;見せびらかす
comparable
比較できる;同等の、匹敵する
transparent
透明な;見え透いた、明白な;透明性のある
comparative
比較の、比較による;比較級
apparatus
装置、器具;機構、組織
disparity
格差、不均衡
disparate
まったく異なる、異質な
apparel
衣服、衣料;着せる
comparatively
比較的、相対的に
parity
同等、均衡;(数学の)偶奇性
reparation
賠償、償い;(戦争の)賠償金
pare
皮をむく;切り詰める、削減する